武術的、夢の活用法

今日は夢の活用法についてお話をしたいと思います。これも武術を通して気が付いた事の一つです。ずっと以前は目の前の相手を倒すことばかりに目が奪われていた事を思うと、よくぞこうして、武術と生きるということが繋がってくれたかと、いうことをうれしく思います。もし、甲野先生との出会いがなければ、目の前に広がっていた大切な教えも全く意味のないものになっていたと思います。
というわけで、夢の話です。
皆さんは夢をどのように考えているでしょうか?いい夢を見た時、悪い夢を見た時、それをどのように考えているのでしょうか。どんなに悪い夢やどんなにいい夢も、目が覚めてしまえば、この現実のリアルな感覚にはかないません。
これまでそんな夢を現実の世界に生かしていこうなんてロマンチックな思いもありませんでしたから、いい夢を見ても、悪い夢を見てもすべて捨ててしまっていたことになります。
しかし今回気が付いた夢の活用法を考えてみると、何ともったいないことをこれまでしていたんだろうと思うようになりました。自分が成長する上で夢をうまく生かして行くことでより加速した、成長をえることができます。
武術を通して身につけることができることは、それまでできなかった状況を打破し、動く事ができるという自信です。実際の生活の中では自分に対して厳しい状況はなるべく経験したくありませんよね。
しかし、厳しい状況を乗り越えることで人は成長して行くものです。便利な機械やサービスが溢れることによって、この時代では、生きる上での分かりやすいストレスは少なくなってきました。つまり乗り越えやすいストレスがどんどん少なくなってきてしまっているのです。
結果的に成長する機会を失えているとも言えます。武術はこの時代においても自分に対していちばんぴったりとくるストレスを問題として与えてくれています。今自分にできることできないことを、しっかり考え、それを乗り越えるための材料として、体があるよ、という事を教えてくれているのです。
これまでの稽古で現実の世界においては、この武術が沢山の事を私に教えてくれました。人前に出て喋れなかったことが嘘だったかのように、今こうして人の前に立ち、教えることを仕事にしています。しかもその伝えている内容は体の使い方であり、そして自分への信頼の持ち方です。両方とも自分のコンプレックスだったものです。
今日は夢の話でした。
現実の世界では武術がひとつひとつ、自分は変われる、ということをしっかり教えてくれています。気付く度にちょっとずつ強くなっていけるのです。では、夢はどうでしょうか?
夢の世界にいる時、これは夢なんだと思えることはあまりありません。夢の世界においては夢自体が現実といえますね。
この夢を体験として考えてもらいたいのです。どんな経験も時間をかけて考えてみれば、自分に対して乗り越えられたことが強さとして身につける事ができます。夢の世界におこる出来事は、現実の世界以上に不条理なことも起こります。とてつもない怖さもあれば、とんでもなく恥ずかしいことさえ起こりえますね(笑)
それを夢だったからと、捨ててしまうのではなく、体験として自分のものとするのです。その経験を誰かに現実のものとして話をしなさいということではありません。自分の心の中だけであんな事があったけれども自分は負けていない、そんな考え方でいいんです。
自分の考え方一つで毎日寝る度に少しずつ自分が強くなっていけるのです。お金もかかりません。リスクは何もないんです。是非試してみてください。

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