【稽古日誌】コブシは丸い

久しぶりに術理に関してまとめておこうかな。
 
今、気にしているのは意識をコブシの中の一点に封じ込める事。
イメージとして紹介して良いのか分からないけど、コブシを硬い殻だとすると、そのバランスの取れた中心点は外からの力の及ばない安心できる場所なのだ。
 
そして、それは相手からすれば、力を吸収されてしまうような感じがするらしい。
相手は力の限り、こちらを攻撃してくる。
普通その力に対してこちらも力を出し、もしくは流しながら、受け止めなくてはいけない。
 
しかし、コブシの中に引きこもっていると、その心配をしなくてもよくなるのだ。
どんなに力を加えても、反応しないこちらの動きを見て、さらに相手は力を入れる。
しかし、それにもこちらは反応しない。
では、その時の相手のエネルギーはどこに行ってしまうのか・・・。
 
どうやらその力もコブシの中の一点に吸収されてしまうらしい。
力がそこまで入り込んでいても、コブシ自体は崩れない。
まだまだ、大丈夫って感じになる。
 
 
 
これが肩や背中、お腹であると、そうは行かない。
なぜなら、肩やお腹は「形」があり、力を受け止める時に得意な方向、不得意な方向があるから。
 
しかし、コブシは丸い。
正確な丸さではないけど、五本の指が細かく動く事で、丸さが出ているんだと思う。
外からの力に対してぎゅっと圧縮させると、外へと力の飛び出さない形になる。
 
もちろん見た事はないけど、ブラックホールってきっと、こんな感じ(笑)。
 
 
 
まず、なにもしない。
 
この形が作れると、安心してその場にいることができるのだ。
生きるって事は苦しみを見つけることに似ている。
どうしても、嫌な事って目に付いちゃう。
それに対して「解決策」を探すのが主流だけど、違う。
解決策がない事だってやまほどあるもん。
 
どんな問題に対してもなにもしない、とりあえず、なにもしなくても自分は大丈夫、って考えられると、すこし、余裕が出てくる。
じっと、内側に引き込んでしまうと、相手の様子がよく見えるから。
 
 
 
こんなところにも生きるヒントを見つけることができました。

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