身体を機械だ、といえば叱られます。
私だって自分の事を霊的に、精神的に、レベルの高いものとして認めたいですもん。
でも、それには、自分の身体をそのように見れる感性が必要です。
私たちには心と体があります。
みんな、当たり前だと思っています。
その体と心は心身一如として、同じものと無意識で思っている人が多いみたいです。
影響しあいます。
ただ、どうしても、心の方からの影響の方ばかりが意識され、バランスが悪くなってきました。
身体は兵器でも、心が傷つき、弱くなる人が増えました。
きっと、これは生活様式の変化のせい。
身体を使わなくても、なんでもできるようになりました。
むしろ、機械やサービスに任すとき、身体がでしゃばると大変です(笑)。
自然と、身体は引きこもり、外には出なくなってきたようです。
身体がもともと丈夫なら心にリードさせてもいいでしょう。
私の考えでは欧米人の頑丈さは日本人とは桁違い!
あの頑丈さがあれば、心にワクワクを先に持たせても大丈夫だともいます。
でも、私たち日本人は最初から「弱い身体」で生まれてきます。
骨も筋肉も内臓も。
だからこそ、「バランス」を意識し、動き方の「型」を作り上げてきたのではないでしょうか。
稽古を通して、体そのものの構造がわかってきました。
その構造がある事を理解することなしに、自由にイメージをすれば身体に負担がかかります。
私たちの頭が作るイメージ力は無限だそうです。
突き詰めれば人間の身体は「水」ですから、あらゆる形に対応できます。
でも、それは水のように柔らかい身体があってこそ、です。
いつも、肩や腰、膝に力が入っていて、頭だけ水をイメージしたって、それは、やっぱり、無理でした(笑)。
今日は単純な身体の動かし方の目安をお話します。
腸骨は地面と水平、片方ずつ、コンパスのように動きます。
股関節は車輪のように前や後ろへ回るのが得意です。
膝はヒンジ、折り畳みの動き。
足首は動きには弱く、固めると強いです。
同じように腕で考えるとこうなります。
鎖骨は風車のように、回します。
肩の関節は車輪。
肘の動きはヒンジ。
手首は固まれば、裏表に瞬時に変わります。
それぞれの関節に得意な動きというか、持って生まれた動きがあります。
水であればなんにでも変わります。
しかし、まだ、水の感覚はありません。
顕微鏡で調べれば小さな細胞の集まりで、水のような存在なのかもしれませんが、まだ、塊です。
どんなに周りの人からあなたはなんにでもなれるし、動けるんだよ、と言われても、自分の中に信じているものがなければそうは行きません。
身体をうまくできた「機械」だと思ってみるのがスタートです。
心を大切にしていると、そんな無機質的な考え方は嫌かもしれません。
でも、いやいや言っているとすぐに、老人ですからね(笑)。
自分の身体ですから、責任もって、感じていきたいものです。