師匠 甲野善紀

甲野善紀先生稽古会【名古屋】

kounosS武術家の甲野善紀先生をお招きして講習会を開催します。

私が甲野先生と出会ったのは1995年です。当時は大学を卒業したばかり。漫画や映画でしか見たことがなかったような技を実際に何度も何度も体験させて頂き、一気に虜になりました。あれからもう、20年以上経ったことになります。

20代の頃は先生が見せてくれる技を追いかけていました。交わすことのできない気配のない突き、力を使わず相手を柔らかく崩す投げ技や固め技、瞬間的に相手の前から消える体捌きなど、新しいおもちゃを得た子供のように楽しく過ごしました。

30代になり、人生に迷い始めます。襲ってくる敵のことよりも、心に生まれる不安を気にするようになりました。子供のこと、仕事のこと、色々です。
しかし、この頃には自分の中に生まれてくる悩みは「身体が解決してくれる」と考えるようになっていました。稽古によって身体が動くようになることで、それまで持っていた悩みがパァッと消えて行くことを何度も経験していたからです。

その経験のおかげでしょうか。30代半ばの頃、自分も先生のように身体の楽しさを伝えることを一生の仕事にしたい!と思うようになり、その思いがたまたまの怪我によって爆発して今現在に至ります(笑)。

40代になってみればそれまでとは全く違う気持ちがでてきました。実は身体が疲れ始めてきたのです。認めたくはありませんでしたが、どうやらこれが「老い」だったようです。
20代30代の頃は目の前の相手に遅れを取らないようにあれこれ工夫をしたくなる気持ちで一杯でした。幸い努力をして頑張る、という才能を持ち合わせていなかったので身体感覚を探ることに集中することができました。そして結果的に自分の身体の声を聞く力を伸ばすことができたようです。

最近、毎日ただ過ごすだけで身体に負担がかかっているのを感じます(笑)。まだ40代なのに、と言われる方もいるかもしれません。しかし、20代30代を筋トレとは無縁な生活をしてきたのです、蓄えも無いんでしょう。食事だって気をつけてはいません。内臓にも負担はかかっているはず。それが、年齢と共に少しずつ現れてきているようです。

しかし、人間誰しも、いつかは「毎日を過ごすだけで精一杯」になるのです。老いとはそういうものです。特に、日本人は生まれた時から欧米人とは肉体の強さが違います。生活スタイルだけを取り入れることで健康なうちは楽しめますが、徐々に負担は身体に現れてきます。若い時、身体を気にしなくて良かった時とは違う暮らし方が必要です。

昔日の日本人はそんな弱い肉体を持つのを自覚していたのではないでしょうか。だからこそ、食事を工夫し、作法や型を作ったのだ、と考えています。また、弱くなっていく身体と寄り添えるように、安易に機械を取り入れることなく、働くこと、動くことを生活の中に残しました。

なにかを身につけようと考えた時、今なら学校へ通います。学校で学んできたからこそ、学ぶというのは学校なのだ、と染み付いています。
学校にはカリキュラムがあり、試験があります。通うことによって知識はつくでしょう。しかし、それでは目的を持ったものしか手に入れる事ができません。技は手に入るかもしれませんが、「過ごし方」は身につきません。

50代になったらきっと、今よりも身体は負担を感じます。60代になったら死ぬということも身近に考え生きていかなくてはなるかもしれません。
しかし、私は今から50代、60代が楽しみです。身体には負担が現れますが、その負担を見つける度に新しく身体の声が聞こえるようになり、新しい景色が見えてくることがわかっているからです。こんな生き方があるとは学校では教わりませんでした。

定年の年齢がどんどん上がります。働けるうちは働け、と休ませてくれません。しかし、身体は老い、壊れるのです。仕事があるうちは仕事を楽しめますが、壊れて動けなくなった時に楽しめなくなったら大変です。寿命だけは長く伸びていくんです。今から日常の過ごし方を考えておくことを強く強く、おすすめします。

 

さて、長々と言葉を続けてしまいました。甲野先生の講習会の話なのに(笑)。
何度も言いますが、今の私が楽しく、そして、未来の私も楽しいと確信できるのは甲野先生によって身体の観察、研究の仕方を学んだからです。しかし、それは学校での授業のように教わったわけではありません。また、私が「そうだ!」と思っていることを甲野先生もそうだ、と同意をしてくれているかというときっと違います(笑)。

甲野先生は誰かについていく生き方ではなく、自分を探り、決断をしていく生き方を見せてくれました。そして、それを全く押し付けなかったのです。この点が本当に他では得ることのできない経験でした。
ついつい良いものは押し付けたくなります。しかし、甲野先生はご自身の中で「正しいこと」についていつも探っているようでした。

先生の口から出る言葉を聞くとき、つい、その言葉を聞いてしまいます。しかし、それよりも先生の生きることに対する姿勢こそ盗んでいって欲しいと思っていました。
もう何年も世話人として講習会を開催させてもらってきました。何年も通ってくれている方も大勢います。もらえる資格もなければ受講証すらありません。また、技を競い合って優劣をつける試合もありません。世間的には常識な目に見える満足度を高める仕組みはありません。しかし、長く、緩く参加し続けられる人は例外なく自分の持つ身体の楽しさに気づきます。幸せそうに見えます。きっと、自然と先生と時間を過ごす中で先生のスタイルを盗み、自分の身体の声を聴き始めたからではないでしょうか。

皆さん一人一人、違ったものを受け取ることのできる珍しい講習会です。ぜひぜひ、ご参加ください。

【名古屋】1/20(日)の講習会に申し込む 

稽古日時:2019/1/20(日) PM2:00~PM5:00

稽古場所:少林寺拳法 名古屋緑道院 

会場住所:名古屋市緑区浦里4−202

参加費:一般6000円、中高生3000円、大学生4000円(学生の方はメッセージ欄にご記入お願いします。)小学生は無料です。

団体割引: 5名~9名 5000円、10名以上 4000円(メッセージ欄に全員のお名前をご記入ください。)

【名古屋】1/20(日)の講習会に申し込む 

問い合せ:karadalab@gmail.com  090-5606-5648

講師プロフィール

1949年(昭和24年)東京に生まれる。幼い頃から野山の自然を好み、育った多摩地方の丘陵が宅地開発されるのを悲しんで、将来は自然の中での牧畜に従事しようと、東京農業大学畜産科に進むが、畜産及び現代農業全体が効率最優先の工業化を目指していることに失望して、この道を断念。それに代わってさまざまな健康法や修行法、さらに思想、宗教等の方面に関心を広げ、実践的な体験を経た後「人間にとっての自然」を自らの身体感覚を通して探究しようと武の道に志す。

合気道、鹿島神流、根岸流等を学んだ後、1978年松聲館道場を建て、武術稽古研究会を主宰して活動を始める。その後、武術・武道に限らず、さまざまな分野の人々と交流し、多くの教えを受け、また、古伝書を読み込むなどして、試行錯誤しつつ技と術理を研究し、それらを、講座や書籍で発表している。1999年頃から、その技と術理がスポーツ、楽器演奏などに応用されて成果が上がり、社会的関心が高くなったことで、より多くの世界と、より自由な対応をするため、また、武術の一研究者としての立場を明確にするため、2003年武術稽古研究会を解散する。以後、介護、工学、教育等の分野からも関心が高まり、2007年から3年間、神戸女学院大学の客員教授も務めた。

 現在、各地で主に武術に関する講座や講習会を行っている。
さらに、2009年秋から数学者の森田真生氏と『この日の学校』を立ち上げ、各地で受験や資格を取るためではない学問そのものと向き合う講座を開いている。
また、ニホンミツバチの農業利用を通して、より自然な農業と、生き方を模索する活動を始めている

甲野先生のツイッター

甲野善紀先生の名古屋講習会

 

 お待たせしました!甲野先生の名古屋講習会です。

久しぶりの名古屋講習会です。kounosS

おそらく、今年最後の講習会になります。

常に進化を続ける甲野善紀先生。プロもアマチュアも、武道、スポーツ未経験者もみんな、それぞれ違った「刺激」を受けるみたいです。

その刺激が種となって、新しい見方ができるようになります。

66歳の甲野先生、そして今が一番動ける身体になっている、それを実際に体験してみれば、言葉以上のなにかを得るはずです。

この講習会は実際に動きを肌で通して感じてもらいたいので定員があります。当日、強制的に行う動きなどはありません。講習会の時間、ずっと、横や後ろ、そして目の前で聞いているだけでも構いません。(もちろん、手を合わせて驚き、楽しんでもらいたいですが・・・)

体力の問題も、経験の問題も全くありませんので、気軽にご参加ください。

11/8の講習会に申し込む

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甲野善紀先生稽古会&音楽家講座【浜松】

2015年 9月26日(土)kounosS

「人間にとっての自然とは何か?」 という問いを、長年武術を通し問い続け、近年スポーツのトップ選手、医療、福祉、ロボット工学、音楽家など様々な分野のスペ シャリストからも注目され、今なお進化を続けている武術研究者甲野善紀氏の術理と動きに直接触れる時間です。

この稽古会は最新の術理を実演とともに体感していただきます。 武術をはじめ、スポーツ、介護、医療など専門分野から日常における身体の使い方・考え方を存分に語らい、感じていただける場です。武術 などの経験がなくても大丈夫! 少しでも興味のある方なら、年齢問わず、性別問わず、楽しく参加いただけます。

また、東海地方で今回初めて「音楽家講座」を同日に開催します。詳しくはこの記事の下部(予約カレンダーの下)にてご案内しております。

申し込み先も違いますので、ご注意ください。

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7/25、26 甲野善紀先生の名古屋・浜松稽古会報告 中編

背骨は消える

昨日のブログで伝えたかったのは「背骨は消える」という事でした。長々と書き連ねてしまったのは、自分の体の中に生まれた感覚がまだ全然、言葉になっていなかったからです。

いつもそうですが、もやもやと自分の体の中に感覚的なものが生まれます。それを材料に何日か稽古をすると、だんだん、言葉になっていきます。言葉にするときはシンプルにするのを望んでいるようで、昨日の何千字かの文章も「背骨は消える」という単純なところに落ち着きだしています。

 

言葉が単純化すると、その動きを再現するのに時間がかからなくなります。これはメリットのように思われますが、きっと、モヤモヤとした感覚のある一面だけをクローズアップした結果で、その他の働きから目をそむけてしまっているかもしれないなぁ、とデメリットの部分もありそうです。

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7/25、26 甲野善紀先生の名古屋・浜松稽古会報告 前編

先週の土曜日曜、名古屋、浜松に甲野先生をお招きし、稽古会を開催しました。

世話人としてもう何回もお招きをしていますが、毎回、新しい気付きを与えてくれます。

 

ただ、私は先生の「言われること」がわからない人です(笑)。身体感覚から生まれている言葉を理解するのにはどうしても、時間がかかるみたいです。

最近、その頑固さの理由がわかりました。首から下の緊張が強くって、頭がウン、ウンと前後に振れないんです。気持ちの問題ですが、原因は体に見つかっていくから不思議です(笑)。

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