【身体感覚の足跡】カベを抜ける感覚

3次元の技というところまではお話をしました。や、ひじ、などにそれぞれ、それまでとは違った力を入れて行くという技が1次元、それぞれの部分をつなげて流れを作る技が2次元、つなげた先に力を溜める部分として丹田を生かし、丹田がふくらむように使った技を3次元と解説しました。

その次はないだろうか。その疑問は生まれるのも不思議はありません。力と力が衝突するところに圧力は生まれます。その圧力を生み出している元がお互いの筋力ですから、その衝突はリアルに「ある」ものとして感じられます。その、「ある」ものをを超えたものとして何かないだろうか、そう考えました。つまり、形としてはないけれども存在するもの想像したのです。

そこで、現れてきたのが重心です。もちろん、もともと存在をしていたのですけれども、重心そのもの扱うというよりも体が動いた結果、重心が動くという、順番だったの変えてみました。その感覚で動いてみると、相手との衝突でぶつかっていた分をすっと乗り越えられるような感じがします。壁を抜けるような感じをイメージしてください。

相手との間で衝突が生まれるかこそそこに困ったなという気持ちが生まれます。しかしこの衝突を体の操作によって「ない」ものとして動く事が出来るというのは、まったく新しい世界に入ってきたような感じがします。

稽古重ねて気づきが現れてくるとこれまで見てきた世界とは全く違う世界があったことに気づかされ、それがまた自分の中にワクワク感をもたらしてくれます。その最初の、世界が変わるほどの変化というのがこの、壁抜けの実技だったような気がします。

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