【身体感覚の足跡】肩甲骨の思い出

ものすごく古い事を思い出しました。
当時、肩甲骨ってなんだったっけ?そんな知識レベルだったかと思います。
 
初めて甲野先生にお目にかかった1995年、その日、見せてくれる技に驚き、どんな質問をすればいいのかもわからない時間を過ごしました。
その中で背中を見せてくれたのですが、その背中がすごかったんです。「肩甲骨」がグルグル別の生き物のように動き回っていまして。目の前にいる人は同じ人間なのか・・・と驚かされました。
 
当然、動かそうと思っても動きません。
心臓などの筋肉は意識では動かせませんが、動き続けています。でも、心臓はもう、身体の奥にありますから、気になりません。でも、こんな身近に、そして、見ることができる筋肉が動かせないなんて・・・。ショックでした。
 
思い通りでなくてもいいんです。あぁ、動いている、と思えれば。でも、それすら叶いませんでした。こういう小さな(大きい?)ショックが、今まで稽古を続けられるモチベーションになっているのかな?
 
 
 
ただ、数年後、友人にその話をしたら、こうか?と見せてくれました。甲野先生と同じように良く動くんです。寄せては、開き、立たせて翼のようにしてみたり・・・これにも驚かされました。
 
どうして?と聞くと、ボディービルでは当たり前のようです。ただ、その良く動く背中をもっている彼でも、ただ、手を上げるという単純な技も出来ませんでしたから、もったいない話です。きっと、その背中は人に見せるためのもので、緊急時に自分を委ねるためのものでなかったのでしょう。仕事で出来上がるのではなく、トレーニングで作るとそういう傾向があるのかもしれません。
 
ふと、思い出した、肩甲骨の話です。動きますか?

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