前腕を使っていたとき、上腕を使うとき、そこで見えてくるのは、どこに自分の意識を置くかという事です。前腕に意識をおいて動いている時に感じるのは「便利さ」。なにかをしようと考えたときに、この肘から先の手はものすごく器用に、動いてくれます。その細かい動きから、工夫というものが溢れてきます。
それに大して、上腕に意識があるときに感じるのは「自由」です。どんなに抑えられても、自分のやりたい事はやれる、という自由です。つまり、この身体には自由を持っている自分がいるわけです。
しかし、稽古をしていると、動かない自分を感じる事も多いはずです。全然自由じゃないじゃないか・・・と思うかもしれません。でも、これは自由の中に入っている不自由なんです。自由だからこそ、不自由な自分を想像し、動きを止めてしまうのも、自由なのです。すごいと思いませんか?
そして、もう一つ奥にあるもののお話をします。胸に手を当てて、じっと身体を観察してみてください。
ボンボン・・・ボンボン・・・
胸の鼓動を感じませんか?
そうです。私達の身体の中には心臓があります。
では、この心臓に「自分の意識」を置いてみたらどうでしょう。感じる事はたくさんあり、それを元に、今、動きを作っています。皆さんもちょっと、感じて、言葉にしてみてください。