最近ストレッチをしています。
これまで準備運動として、ストレッチを行うことはありませんでした。
なぜかと言えば武術というのはその瞬間、何の準備もなく、動きを始めなくてはいけないからです。
なのに、今なぜ、ストレッチを始めているかというと、体を伸ばしきるという限界に、これまで見過ごしてきた、「楽しさ」というものがあることがわかったからです。
そのストレッチの中で見つけた体の使い方があります。
「肘」と「膝」を意識してみてください。
特に痛みのない人は普段、それ程、肘や膝というのを意識せずに動いているかと思います。
ものをとる時には手先だけが進めばいいし、一歩足を出す際にも、膝や体幹を意識して歩いている人は多くないと思います。
つまり、便利な世の中になったことで使わなくなってきた部分の代表みたいな存在が膝と肘なのです。
具体的にどう使うかというと、肘を少し回し気味にして指先の方に力を流していきます。うまく使うと、肘から指先にかけて「芯」が通るようになります。
「芯」というと、体を貫く正中線が有名ですが、どんなに技術がしっかりしてきたとしても、相手と接触するその手先がふにゃふにゃであれば、結果としてこの体は崩れてしまいます。
肘先に「芯」を作ることができるようになると、まるでそこにうちわのように自分の体の外にある力に乗ることができるようになります。
いつものように武術的に、相手を崩すことを考えてみると、意識しやすい筋肉を使って相手に働きかけること以外に、自分の体が動くことによって生まれた「勢いとしての力」を使って相手を崩すことができるようになります。
こういうことを新たに稽古を通して見つけて来るわけですが、これは苦労して身につけなくてはいけないという技術ではなく、もうすでに、普段意識しないままに私たちはそれを使いこなして生活をしているということを忘れないで下さい。
稽古とは自分の持っている能力に気づくためのものです。
賑やかなお祭りに出たことはありますか?
テストが終わって晴れ晴れとした気持ちになって友達と遊んだ記憶はありませんか?
周りの環境が変わって、そこに「楽しさ」や「悲しさ」が生まれるということ私たちはこれまで何度も経験をしてきていると思います。
その生まれた雰囲気が「動き」になっていく事もわかるかと思います。
ただ、動かされる雰囲気、空気があることはわかっても、その流れ、空気を作ることに関してはこれまであまり学ぶ機会はありませんでした。
肘先、膝先というのは私たちの周りにある空気を作る方法かもしれません。
楽しい時に楽しい自分になり、気持ちがウキウキするというのは当たり前のことです。
しかし、その楽しいことを待っているだけの人生ではあまり楽しくありませんね。
楽しいことを待つのではなく、動くことによってその瞬間を楽しいと感じられるようになりそうです。
これができれば、いつでも、どこでも、楽しい自分でいられます^^
最後にもう一度、体の使い方、意識の仕方を書いておきます。
ポイントは肘、そして膝です。
肘や膝から力が体幹のほうに戻ってこないように、意識をして指先に力を送り出します。
指先に集まった力を発揮して内向きに戻さないようにしてください。常に、外向きです。
軽くその状態で左右に腕を振ってみると、指全体、特に肘から先の部分で圧力を感じることができると思います。
分かりにくいなと思われた方は、ぜひ、お風呂の中でそれをやってみてください。空気の中ではわからなかったことが水の中ではあればもう少し感じやすいと思います。
だんだんとそのハリのある状態を崩さないように力を使えるようになれば、相手に対して技をかける事も可能になります。
技にまでは行かなくても、肘先、膝先に力が流れている状態というのは、気持ちの面では、伸び伸びとしたような感じです。これが少し動き出すことによってウキウキとなるのかもしれません。
もう少し、稽古を進めて、また、違った面からお話しますね。以上です。