先日、NHKスペシャル「ハッブル宇宙望遠鏡」を見ました。
当たり前と言えば当たり前ですが、ふと、「今見ている星は今ではなく、過去なんだなぁ・・・」と実感をしたんです。
最近考えているのは、本当に、この目で世界を見て、この耳で音を聞いているのか?という事です。武術の技で言えば、肌を通して感じているこ感触、触覚は確かなものなのだろうか?と考えていました。
星の光はこの地上に届くまでにどうしても時間がかかります。光として、目で捉えてそれを認識するのに、光が生まれた瞬間からこの目に届くまでに時間がかかっているわけです。これだけ大きな空間でならばその時間もアタマで納得するには十分すぎる大きさですが、今目の前に見ているものはどうなんだろう・・・、それを考え、稽古で確かめていました。
理論的に考えると・・・と言っても、そんな立派な理論は持ち合わせていませんので、すべて体で確かめるしかありません。つまり、技が効くかどうか、それだけを頼りに考えを拡げます。
目に入った光はまず、後頭部で理解され、おでこの辺りの脳で認識されるそうです。通常の認識、判断できる場所を「今」と思っているだけじゃないのか・・・そんな仮説です。今だと思っていることは実は、過去だったかもしれないのです。
もし、もっと早く・・・というよりもより「今」に近い瞬間を体で(脳も体ですよね!)実感をして、それにあわせた動きが出来れば、当然、動きは違ってくるはずです。
この2週間、そんなことばかりを考え、試し、稽古してきて、最初にあげた仮説に確かなものを感じ始めてきました。これを言葉で伝えようとしても、まず、無理だよなぁ・・・というのも分かっています。なぜなら、ほんの2週間前まで、私自身が「今」は「今」で間違いない、と思い込んでいたからです。
少しずつでも自分の今に疑問を持ち、外れる事ができるようになれば、本当の今へと近づいていけます。本当の今ならもう少し、自由がきくはず。今の不自由さはすでに事が起こった後ですから、やっぱり方向転換には力が必要です。
稽古で疑問は聞いて下さい。決して、鵜呑みにしないように(笑)