リアルタイム報告

【リアルタイム】「今」とはバランサー

雨の中子供をつれて階段を歩いていた時、こんな事が頭に浮かびました。
あぁ、この時間、この瞬間はバランスを取る役目をするものなんだ!と。
ずっと考えてきた「過去・現在・未来」が今日ほど実感を持って感じられた事はありません。
 
このところの研究テーマはバランスです。そのバランスをまずは3点でとっていこうと。
時間も過去、現在、未来の3つのものです。ここにも面白い材料が転がっていました。
 
未来と過去、その二つの間を現在がバランサーとして作るとする、今まで見聞きしてきた事が身近に感じられます。
この世は鏡のようなもの、幻想、まぼろし・・・まぁ、そういう事を良く聞きます。まぼろしであれば、自分の作りたいように作れば良い、という流れになるんですが、どうしてもこの目の前の世界が幻には思えません。
 
辛うじて、武術を通して「今」を作り変える事をしてきましたが、まだまだ物足りませんでした。でも、現在が過去と未来をつなぐもの、バランスを整えるもの、と考えると、一気にこの世界は柔らかくなる気がします。
 
もちろん、説明は出来ません。
ただ、この身体から得たヒラメキであり、実感です。
昨日の自分よりもずっと、楽しく過ごせる自分がいる事を幸せに思います。

【リアルタイム】膝歩き

肘先をなくす動き方を考えてますが、それはそのまま脚でも同じではないか、と考えられます。膝先をなくした歩き方です。そんなものに需要があるのかと思うかもしれませんが、これが、小さな子供達を観察していると、脚を折りたたみ、後ろで抱えて、膝で歩く事を楽しそうに、ずっとしていたりします。子供のやる事ですから、身体が求めているんでしょうね、楽しい~っと。
 
試してみると、痛いものの、楽しさが少しわかりました。ただ、動きにくいんです。それでも、動きに迷いがないのがわかります。前に出ようか出まいか、出るのならどうやって出ようか、つい、そんな事を考えてしまいます。その「考え」が消えるのです。考えないようにしようと思ってもなかなか無心にはなれません。それが、膝歩きの場合、考え自体が生まれてこない感じなんです。
 
この膝歩きの感覚を立った姿勢で行えないだろうか・・・その工夫を今日はしてみましたどうやら「腰を落とす」というコツに共通点がありそうです。腰を落とすなんて当たり前な事を・・・と思うかもしれません。でも、どう腰を落とすか、というところに微妙な感覚が芽生えてくれたのです。膝で歩く、いけるかもしれません!!

【リアルタイム】手柄はくれてやれの術理

共同作業についてこれまでも分かった事をいくつか書いてきました。
共同作業というと、相手と自分が半々、50-50です。平等で良いですよね。
でも、なかなか半分は自分というのは難しいんです。誰だって、自分の事が一番ですから。
 
そこで、こんな考え方はどうでしょうか?
「手柄は相手に上げてこちらは影から支える役目」として振舞うのです。
・・・と心構えを出しました。もう、心構えなんていいんだよ、という声が聞こえてきそうです(笑)。
 
しかし稽古を通じて、バランスをとる操法が相手を影から支える事だという事が分かります。
相手を後ろから抱きかかえます。持ち上げません。ただ、そっと触れているだけ。
相手が動きたい事を「察知」して、それに合わせて相手の身体に力が入らないように、調整し続ける感じです。
 
足の弱い人も水の中なら負担が減ります。
重力の小さい星なら高くジャンプできるはずです。
相手にとって必要な力を少しだけ貸してあげるのです。
目立ってはいけません。
 
すると、その仕事、例えば、立ち上がるという動きをした時に、相手が感じるのは「自分が立った」「自分で立った」という感覚です。
空間的に立った、座った、という事よりも、心の中に自分がしようと思った事が出来たという気持ちを持たすことが出来たら、そこからまた「次」に繋がる意欲が出てきます。
 
この動きは介護系の動きに留まりません。
手柄をくれてやる事が自分の最大の幸せになる、という事は色々な場面で応用が出来そうです。思いつくだけでも、二人三人の間の人間関係、子供を見守る親の姿勢、仕事と自分との関係・・・、つまり関係性が問題になっているものには全部応用ができそうだなぁ、と感じています。
 
関係性の達人への秘訣はバランスをとる相手を見つけることかな?と思っていますが、どうなのかな?
さぁ、稽古を続けてこよう。

【リアルタイム】上腕遊び

こんな実験も身体の不思議さを感じるのには面白いかもしれません。もし、お願いできる人がいるなら試してみてください。
 
まず仰向けに寝てもらいます。
その人に前腕を掴んでもらって引っ張り上げます。
相手が小さく、軽い人でも腕に重さを感じるかと思います。もし、相手が引っ張ってくれるのなら、引き上げるための手伝いにもなりますが、その分、負担も大きくなります。
これ、普通ですよね。
次に、「上腕」を掴んでもらって、同じように引き上げます。
 
今のところ、例外はいませんので、なにか感じられると思います。
もし、なんか思いなぁ、という方はぜひ、教えて下さい。そうなる要素がなにかあるはずですから。
これが実験稽古です。

【リアルタイム】上腕の技

手首を押さえてもらう。当然、困る。でも、実は、困らなくてもいいんだよ。
 
・・・といわれても、困るものは困る。抑えられてそれを感じている当事者はものすごく感じている。身体が感じている事と、いや、大丈夫なんだ、自分は自由だ!と思いたい自分の頭が相容れないとこれはまた余計にツライ。
 

 

大垣の文化センターの講座でこういう実験をしてきた。
しっかりと両手で全体重を乗せるように、手を抑えてもらう。まぁ、形はどうでもいいだけど、とにかく相手を困らせるように、全力で。
その状況設定で上げようとすると、当然、困る。その困る事を解消するために、様々な技を開発してきた。三角のバランスもそうだし、反射神経の技もそう。
でも、もし、困らなければ、それまでどおり、普通にふるまい続けられるかもしれない。それを確かめる実験。
 

 

手を抑えられているとき、一番気になるのは当然、抑えられている手だ。この時、もう片方の手が残っている。その手で、自分の上腕をぎゅ~っと抑えてみる。身動きが取れないように。
 
どんなに抑えれても、実は上腕は困らない。そのまま普通にふるまうことが出来てしまう。
そして、この時、実は抑えられている手の事を忘れてしまっているのだ。不思議だけど。手を上げようとするから、衝突する。それを困っていると感じてしまうから、相手は困らせようとするのだ。でも、自分の中にもっと困るだろう状況を作り、そして、それを困らないで動ける身体を見つけられると、なんの問題も無かった事を「思い出す」のだ。
 
忘れないうちに、書きました。