陰陽五行説

【稽古録】次元的に考える事で見えてくるたくさんの自分

◆はじめに

身体感覚の稽古をし始めて、考えることが多くなりました。稽古の大半は「考える」時間に充てられていると言ってもいいかもしれません。

甲野先生に出会う前、練習とは「繰り返す事」としか知りませんでした。教えられた事を繰り返し、何度も行い、できるようにする。それだけでした。
簡単な技ならこれでいいかもしれません。しかし、手順だけではなく、実際に使えること、さらに、争いの先に「納得」を求めた時、繰り返しの練習では絶対にたどり着けない事がわかります。

たぶん、多くの人がそれを知っています。でも、「それ以外」に方法を知らないため、繰り返しの練習に戻ってしまうのでしょう。
また、段位のような序列が組織の中にある場合、技としての完成度を高めるよりも、試験を評価されて与えられる段位を上げることに気持ちを向き替えるのかもしれません。

私は考え方が幼かったせいか、「技の中に教えがある」と信じ、自らの技の向上にしか興味が持てませんでした。いくら段位が上がっても、大会で評価されたとしても、嬉しくなかったのです。
そんな時、甲野先生に出会い、「身体感覚」の世界を見せてもらいました。
この世界はそれまでの手順を学び繰り返す練習とは全く違う世界でした。あまりに違いすぎて、どう自分の中で考えたらいいのかすらわからなくなりました。まさか、「ただ手を上げる」という単純な動作の中に良い悪いがあるとは考えもしませんでしたから。

身体感覚的に自分の技を見直してみると、もう、大変でした。持っていたたくさんの技はすべて、役に立たないものになりました。自信の持てないものとなってしまったのです(笑)。
私はプライドのない人間だったので、全ての技が役立たずになる、という状況になっても、ようやく本物に出会えた、と喜びの方を先に感じることができましたが、長年コツコツと積み上げてきた人にとっては自分のそれまでの稽古が無駄だった、と思う事はかなり、キツイ経験になってしまうかもしれません。
それでも、あえて、強くお勧めしたいと思います。身体感覚の世界は人生を変えます。

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今を五つに分けてみた

先日、足裏から力が跳ね返ってきている事に気がついてから、動き方はもちろん、今、自分が見ている世界についての考え方がグルグルと変わってきた。この考え方が正しい、とは言わない。ただ、今自分が感じている事をそのまま言葉にしておこうと思っている。

なにが正しいのかはわからないけど、今目の前にある世界が身動きの取れない窮屈なものではない、というのは間違いがなさそうだ(笑)。

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壁を乗り越える力

日曜日に少林寺拳法の大会があった。少林寺拳法では単純な勝ち負けでの順位はつけない。技の構成を二人で決め、それを繰り返し練習し、磨く、そしてそれを表現し採点してもらう。「演武」という方法だ。

勝ち負けを競うスポーツに比べると採点方式なのでわかりにくい点もあるかもしれない。物足らない、という人もいる。しかし、やりこんでみると、単純に勝ち負けを競うものよりも楽しい部分がたくさんある。そして、それは一時の勝ち負けの楽しさで終わらず、生きていく強さに変わっていくものだ。そういう話はまた、別の機会でするとして、今日は大会参加を通して気づいた「壁を乗り越える話」をしようと思う。

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