股関節に感覚が生まれて、立つ、歩くという事を改めて考えるきっかけを得ました。やはり、体験って大切です。股関節の事なんて、気にしなくったって生きていけます。でも、気にする事が出来るようになってみると、楽しいんです。
脚に股関節があるのならば、腕はどうかと考えてみると、胸鎖関節が頭に浮かびました。
もちろん、それは甲野先生が教えてくれていたからです。ただ、初めて胸鎖関節をつかう、という事を聞いた時には全くわかりませんでした。そんなところを意識して動かす事が出来るようになるとは夢にも思いませんでしたから。
それから数年。頭に知識があったおかげで、私でも胸鎖関節を気にする事ができるようになったんです。身体の感覚が芽生えるまで待たなくてはいけないんですね。待っていれば、必ず気づく事ができるはず。ただ、待つために知らなくてはいけない。きっと、知らなくても気づける人の事を才能がある、というんでしょうね。
才能がなくても、大丈夫。学んで、待つ。今のところ、それだけで、ものすごく楽しく過ごす事ができます。
胸鎖関節の話でした。
首元にある二つの出っ張り。それが胸鎖関節です。
これが腕のスタートだ、と言われています。腕は肩からではなく、この胸鎖関節で胴体と繋がっているんです。
でも、頭ではそう思えない。
手を上げよう、と考えると、肩からぐっと上に上げてしまっていました。
でも、胸鎖関節を意識して、腕を振ってみると、そこに「長い腕」を見つける事ができます。
肩を上げてはいけない、とはよく言われる事ですが、肩を上げないようにするために、胸鎖関節から動く事が有効だったのです。
肩を上げないようにしよう、と心がけていても、胸鎖関節を知らずに、肩から手を使っていては肩を落とし続けるのはとっても難しいです。でも、胸鎖関節から動く、と知っていれば自然と肩は落ちて、より、自然に近い動きをする事ができます。
これが「結果としてできる」という事ですね。
頑張らなくても良い、頑張ってはだめ、ってのはこのあたりに秘密がありそうです。