「おかげさま」という良い言葉があります。
陰に隠れた存在、力が自分を助けてくれて、今、様々な事をやり遂げることができるんだ・・・と考えてみると、なんだかホッと心の奥が暖かくなります。
ちょっと前に自分はものすごく嫉妬深い人間なんだ、と気づいた事がありました。
目の前に現れる人に対して、どうしても、憧れや劣等感を感じてしまうのです。
いや、人間は対等、平等だから・・・と「考えても」、その見たいくない感情は消せません。
そういうところから逃げ出すために、稽古をして、良く動く身体を作っていたのかもしれません。
でも、神経や上腕の可能性に気づきだして、不思議と余裕が出てきました。
自分の中にも達人が入っていた、という事が分かったのですから。
自分だけではありません。誰の中にでもです。
素晴らしく動ける身体を持ちながら、肘先を使ってしまうことで、衝突が起こります。
じゃあ、肘先を使うのをやめて、この上腕や神経に身を任せるだけで、自分のやりたい事は出来上がっていく、と考えざる得なくなりました。
自分の中に「おかげさま」というバランスをとってくれている存在(身体)があり、そこを認められたことで、相手の中にもそれを見ることが出来ました。
その最高のものがお互いの中にあると、嫉妬するのでもなく、見下すわけでもない、真っ直ぐ相手と向き合う事が出来るのです。
なにをしても、「おたがいさま」、そんな感じです。