【身体解説】知識を経験に変えるチャンスがない

この手を見ると、指が5本ついています。五行思想なんかを勉強すれば、親指は金であり、肺・大腸・怒なんかが関係している事を「知る」事ができます。なぜ、この指は5本なんだろう?というのもきっと、誰かが、どこかに意味をつけて、説明しているはずです。そんな知識をたくさん、私達は持っています。
 
では、そういう知識があれば幸せになれるか、というと、これがそうではないから困るんですよね。意味は分かっても、その身体に振り回されてしまう場合があります。その意味が正しいのか、正しくないのかは問題ではありません。自分がその意味を知ったことで、どうなりたいのか、という部分を見てほしいんです。
 
私が講座や稽古で教えているのは知識を経験に変える方法なのかもしれません。考えてみるとこの現代は経験するチャンスを失ってしまっている時代といえます。そんな馬鹿なことを・・・といわれる人もいるかと思います。でも、こうは考えられないでしょうか?自分が経験して、なにかを身につけるはずの事を高度に発達した機械やサービスが替わりにやってしまうのです。機械やサービスはその「経験」を通して更なる発展、進化を遂げます。でも、それを使うはずの人間はどうでしょうか?そのうち、人工知能が発達して(むしろ、今でもそうなんですけど・・・)、ボタン一つであらゆる事を「終わらせて」しまう事ができる世の中になるかもしれません。
 
でも、そこに身体を通して喜び、幸せがちゃんとついてきてくれるか、心配しちゃうんですよね。機械やサービスが要らないとは思っていません。むしろ、私は新しいもの、大好きです。物心両面の幸せって言いますけど、心の方をほったらかしにして、欲しい欲しい、って言っていても、身体のすごさを感じる経験自体がどんどんと減ってしまっているんです。
 
私達のこの身体は進化の果てに作られてきたはずです。ほんの100年、身体に興味を持たなくなったからといって、この身体がなくなるわけではありません(笑)。どんなに才能がないんだ、という人でも、これからこのコーナーでお話しする事は、あなたの中にも絶対にあるものです。手の指、手のひら、手首・・・それをじっと見て、なんだろう?なんて、全く意味がない事に時間を作ってみるのも、いいじゃないですか、自分の身体に興味を持ちましょうよ(笑)。
 
次回、まず、指について、考えてみる事にしましょうね。

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