【稽古日誌】ハサミの原理の動画

 
 
今日は浜松で中日文化センターでの稽古。
伝えたい事が道具の原理、親子の原理、半歩の術理、そして、ハサミの原理と、なんかもう、2時間では全然、足らない(笑)。
 
ただ、今回は小冊子を持っていったの。
伝えたい事をとにかく渡しておく。それが大事だと思ってるんです。
私の講座にはこれだけは身につけておくべき基本ってないんです。なんども書いてますから知ってますね(笑)。
そして、上達のためのカリキュラムもないんです。
 
 
なぜかと言えば、甲野先生がそうだったから。
教科書どおりの学び方で上達しなかったのが、ある時、学ぶ事がなにもない稽古で一気に自分が変わるって経験をしちゃったんです。
なにかに気づくたびに、それまでの自分とは別人になったかのような気持ちになれるんです。
 
 
 
今でこそ、毎月、毎週のように新しい動きに気づいてたりしてるけど、最初はひどかった(笑)。
甲野先生に出会い、不思議な技をかけられ、体で体験し、言葉で勉強しても、一番最初に変化を感じるまでに、半年ほどかかったんだよね。
 
柾目返しって技があるんです。
正座で向かい合い、相手がこちらの片手を上がらないようにしっかりと押さえてくるって技。
ただ、上げるだけだから、抑えるほうも簡単。力いっぱい、遠慮なく抑えて行く練習技です。
やって見るとわかるけど、なにもせずにただ上げると、上がらないんです(笑)。
 
野球で言えば、直球ど真ん中だけで勝負してるようなものだもん。
ストライクやボールを使い分け、変化球でタイミングをはずして空振りを誘うんじゃないんです(笑)。
ただ、まっすぐ相手に向かって投げているのに、相手が打てない、って事を求めています。
 
初めはもう、なんにも出来ません。
ちょっとでも力が入ってしまうと、ぶつかって、技にならないから。
まさか、こんな状態で相手を崩していく事ができるとは考えもしなかったんです。
 
 
 
そこに変化が出たのが稽古をし始めて半年たった頃。
たまたま出会った人と手を合わせていて、その人から「コツ」を聞いたんです。
そのコツとは「手を上げる前に、掴まれている側の肩を手を動かさずに引く」、というもの。
言われたとおりにやって見ると、それまで動かなかった手が相手に抑えられずにすぅ~って入っていくんです!
初めて「変化」を感じた時でした。
それが1995年ですからね(笑)。
いやぁ、時間がたちました。
 
 
以来、ずっと、変化が続いて、今、私の中の最先端が「ハサミの原理」。
左手と右手の間に切っても切れない関係性、連動性がある事がわかったの。誰の中にでもだよ。
その誰にでもある関係性を忘れてしまうのは、私たちの意識が集中するって事を覚えちゃったらから。
なにかに集中すると、反対がみえなくなっちゃうもん。
だからね、「モノ」ではなく、「つながり」の部分をしっかりと見続けると、動きが変わります。
 
 
 
昨日、講座の始まる前、お手伝いをしてもらい、ビデオを撮ってきました。
自分で自分の動きを見ていて、前回撮ったときからそれほど日が経ってないのに、なんだか、別人のような動きにみえます。
前回は手指、足指に引かれて動くってものでした.。

なんていうのかな、四肢それぞれがやんちゃな子供で、勝手に動いていけば家族みんながそれについていくしかないって、感じの動きだったの。
確かに速さは出て行くんだけど、どうしても、崩れやすくなります。
でも、今回のものは左手と右手の間にある「関係」を気にして動いているの。
結果として、なんだか、きれいにまとまってみえるんですよね。
 
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きっとね、掴まれた腕をどう動かしてなげているんだろう、って見えると思うの。
でも、そこじゃないんだよね(笑)。
動きの秘訣は反対の手との連動性。
ちょっとそこを気にしながら見てみてください。
 
個人的にあっ、こんな動きをしてるって思ったのは、最後の技をかけ終わった後に、くるりと廻っている動き。自分の動きなのに不思議と見とれちゃいました(笑)。
 
あんなに不器用で、どんくさい動きしかできなかったのに・・・。

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