【稽古日誌】未来への期待を辞めて、過去に感謝してみる その2

昨日の日誌を書いて数時間。
久しぶりに伝えきれないもどかしさを感じて眠りにつきました(笑)。
 
もともと、身体感覚を言葉で伝える、という事に期待はしていなかったけど、昨日はひどい。
全然、「伝えた」気持ちが出てこないんです。
 
稽古の時なんかに感じるんだけど、今、その瞬間知っている事、わかっている事を全部、隠さず、伝えきると、自分が空っぽになった感覚があるんです。
普通は秘伝、秘訣って隠すと言うか、教えないんですよ。特に競技系の人たちは。
だって、その秘密があるから、自分が特別でいられるんですから。
 
でもね、甲野先生は違ったんです。
とにかく、全部、伝えている人なんです。
その姿を追ってきたからだと思うけど、カラダラボの稽古でなにかを秘密にしている人ってたぶんいません。
 
 
 
自分が空っぽになるって怖いように考えていると思うけど、これが違うんだよね。
全部、伝えきった時にはもう、それ以上伝える事がない、って状態になって頭で考えても仕方なくなるんです。
たぶん、この時、身体の方が求めだすんです。
身体が困って働き出す(笑)。
一応、講座では伝える側ですから、伝える時に自分がなにも持っていない、となれば必死でなにかをさがすんではないか・・・そう思っています。
 
 
 
それでね、昨日はその「伝えた感」がなにもないの(笑)。
もちろん、隠したつもりはありません。
ただ、自分が感じた事を言葉にしてみたんだけど、ダメだった、って事だと思うの。
いつもなら、仕方ないなぁ、後は講座、稽古で感覚を伝えればいいか、って逃げ口があるんだけど、昨日の気づき(未来に期待せずに過去の積み重ねを感じる)ってのは、稽古においても伝えにくいものなんだもん。
 
 
この気づきで身体ももちろん、変わってきてると思うんです。
なんというのかなぁ、普通の何気ない時にも、すぐに、すごい自分に向き合える安心感があります。
もともと、ネガティブな性格な私はなにかあると、やっぱり、自分自身を責めにいきます。頭ではそんな考え方よりも、前を向いていた方が楽しいぞ、って知っているのに、つい、自分を責めるんです。
まぁ、その自分に向かう事を続けてきたおかげで、内観力も高まって、たくさんの気づきを得てきましたから、ダメな事とは思っていないんですけどね。
それでも、自分に目を向けたとき、もう一回、自分に価値を見出すまでの時間が圧倒的に短くなったんです。
 
 
 
もう一度、改めてお話しますね。
普通はみんな、未来に期待をさせるんです。
セールス系の本なんかで言われている売り上げをあげるコツってのはそんなのばかりです。
今の時代は商品をただ売るのでは売れない時代です。同じような商品がたくさんあるから、差別化しないと売れません。
その差別化をしていく時に、うちの商品を使ったらこんな風になりますよ!って事を伝えるんです。
明るい未来を先に渡すんですよね。
 
 
車を売る時にはこんな感じだそうです。
今の車を買い換えてもらいたい時。今の車は丈夫で長持ちしますからね、なかなかすぐに買い換えなきゃ、って人ばかりじゃないよね。
でも、ビジネスとなれば買い換える必要がない人にも、欲しい、と思ってもらい買ってもらわなくてはなりません。
この押し付けが嫌いだったので、未来を売る、というのに違和感を持っていたのかも知れないなぁ・・・。
 
どうすれば欲しい、と思ってもらえるのか。
車であれば実際に乗ってもらうのが一番なんだそうです。
その車に乗ってもらい、未来をイメージしてもらう事。昔はこんな単純な事で欲求を刺激できたんだってさ。
でも、今はもう少し、複雑。お客さんも、乗れば欲しくなるってのを学んだのかもしれないし、抵抗力がついたのかもしれない。
 
気がつかない間に欲しい、って思わせないとダメなんでしょうね。
そこで、イメージ戦略です。
その車に家族で楽しく、わいわい乗ってキャンプに行っているCMなんかを作ったりしてますよね。
車がある事で、これまでとは違った経験が出来て、家族が仲良くなるかもしれない、なんて事を思わせるの。もちろん、無意識に。
 
車によって手に入る未来はどこかに移動できるっていう働きだけではなく、家族が仲良くなり、子供にも自然と触れ合える経験を積ませる事ができるんですよ、っていう別の未来を渡していたりするそうです。
 
 
 
ダイエット商品や膝腰の痛みをとるサプリメントみたいなものはもっと単純ですね。
新しい成分が発見されました。
今回の商品はこれまでとは違うんです。
これまで失敗して来た人でも今回の商品なら大丈夫です。
ほら、みんなこんなにやせて喜んでるでしょ・・・って(笑)。
 
それでも、ねぇ・・・。
そのうち、気づきますもん。
 
 
新しい未来を渡すって、明るいけど、その明るい未来が失敗するたびに、ひとつひとつつぶされていくんですよ。
感謝癖がある人はいいんです。なんでもありがとう、って思える人は。
もしくはエジソンみたいにうまくいかなかった時にそれを失敗と思わず、これはうまくいかないものなんだ、って研究心のある人は。
 
でも、普通は失敗するたびに自分を責めますよね。
 
 
 
武術はとにかくシンプルなんです。
柾目返しという技は抑えられた手をただ、上げるだけ。
その上げ方がいろんな技であり、術です。
人の数だけ、コツがあります。
昔はそのコツが秘伝で盗むもの、と思われていましたが、今はいくらでも教えてくれる人がいます。
 
学び出せばどんどん知識は吸収できるんです。
でも、できない、って人が多いんです。
知ってはいるけど、出来ない。
分かっているけど、出来ない。
知識は未来をくれるものですが、その未来が自分にはない、って失敗すればするほど、その思いは強くなっちゃいます。
 
 
 
知らず知らずのうちに私は過去に向き合う事をしてたみたいなんです。
身体をじっと観察して動きを研究する作業は、その時出来る事をただ探していくだけなんです。
出来た瞬間はうれしいけど、2回目3回目にはもう、普通です。
だって、身体がそうなっているんですから。ただ、今まではその動かし方に気づかなかっただけで。
その動かし方は新しいものではなく、もう、すでに、自分の中に作られていた構造なんです。
 
現代はその「動き」というのがどんどん消えている時代なのかもしれませんね。
きっと、この100年ですよ、それが起こったのは。
エネルギーで動く機械が増えたことで、私たちって自分の身体を使わずにすむようになったじゃないですか。
すると、今まで工夫して動かしてきた体を使わなくても済むようになったし、ちゃんと身体を使っていた世代が老いていき世代交代する中で、だれも使えなくなってきちゃったんだとおもうんですよね。
 
 
 
稽古を通してわかるのは体の精妙さです。
なにかができるからうれしい、っていう喜びではなく、この身体を持っている喜びなんです。
だからこそ、人から「できる」事をほめられてもそれほどうれしくないんです。だって、それは身体からしてみると「当たり前」の事だから。
逆に出来ない事も当たり前です。
頭の中では常に、なんとかしたい、という欲求がでます。でも、身体は動かないんです。抑えられていますから。
 
どんなに頭に未来を描いても、身体が動かなければできるはずがありません。
未来は過去からの積み重ねによって決まる、未来だけを変えようと思っても変えられないんです。
未来は決まってる、ってことね。
 
でも、過去を変える事が身体にはできるんです。
どんどん掘り下げていく事で、自分の身体がすごいと思えます。
そのすごい身体を持っている自分がわかると、それまでダメだってあきらめていた自分は消えているんです。
 
 
生まれてからの今までだけを過去だと思うと大変かもしれません。
でも、もっと前から、何百年、何千年、何万年、何億年前からつながっている時間が全部、味方してくれる気がしています。
 
 
 
こうやって、伝え続けるしかないんだなぁ、って今、思いました。
実感としては間違いないもの、としてありますから。
あきらめません(笑)。
 
 
 
さぁ、今日はこれから甲野先生の講習会。
もし飛び入りで!というのなら、メールでご連絡ください。
今回はまだ空きがありますから、大丈夫です。
まで。

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