【稽古日誌】稽古納めで見つけた皮膚の自分

昨日は2012年の稽古納め。
普段の稽古も数時間と普通に考えられている練習とはちょっと違っているけど、せっかくなので、終わりを決めずにどこまでいけるかやってみた(笑)
 
 
 
とにかく、稽古はガマンがあってはいけない、ってのがカラダラボの稽古。
その日、稽古したい人が稽古したいだけ稽古する事が一番成長できるのだ。
必然的に繰り返しの練習はなくなり、常に、自分との対話となって、気がつけば、自分ってなに?って事を考えられるようになる。
 
普通、スポーツの世界ではトレーニングを行う。
トレーニングをすれば、確かに鍛えられるものがあるだろう。
でも、それでは、ついつい、自分の今いる場所から出られなくなる。
ずっと、その場所にい続けようと思っても、人間には老いってのがあるし、相手もこちらの動きにあわせて追いついてくる。
だから、単純に練習=トレーニングではダメなのだ。
 
 
 
カラダラボで目指しているのは、とにかく、新しい術理、感覚の開発なのだ。
新しい術理を通して、それまで見てこなかった自分を見つけられる。
その新しい自分を見つけると、それまで「良い」と思っていたトレーニングが逆に「悪い」って事がよくあるんです。
 
昨日の稽古でもまさに、それを感じました。
 
 
 
稽古をし始めて、6時間ぐらいたった頃だったかな?
一通り、参加してくれた仲間に最新の身体の使い方を説明して、ホッとしていた時です。
ホッとするというのは言い方を変えると、今の自分が当たり前になり、飽きてきた時でもあります(笑)
 
コブシだけではなく、身体の体幹部や脚部を細かく振動させて動くと相手はこちらの動きを見失います。
ぐっ、と固まらない身体は狙いをつけるのが難しいからでしょう、きっと。
まぁ、確かな事はわかりませんが(笑)
自分でも自分の身体、動きが分からないぐらいですから、当然、相手も困るんです。
 
 
その細かく振動する身体に飽きてきたんです。
どういう状況だったのか、ちょっと、不確かですが、座り技の正面の斬り飛ばしを教えていた時だったと思います。
この正面の斬り飛ばしってのは細かく説明をすればいくらでもコツにあたる部分はありますが、まぁ、そういうのは抜きにして、ただ、まっすぐ、相手に入っていく、って事だけの技です。
正座をして向かい合い、片手を出し合い(まぁ、相手は両手でも良いんですけど・・・)、触れた瞬間、相手を後ろへと飛ばすものです。
普通に考えると、相手と触れた瞬間、力と力が衝突しますよね。
その衝突をとにかく、無くしたいんです。
 
 
 
この時、それまでは身体全体をミツバチが集まっているかのように、振動させるイメージで相手に入っていました。
この動きをすると、相手は抑えきれずに、こちらの動きをそのまま受け取る事になるんです。
 
術理を秘密にすれば、相手はいつも、技にかかり続けます。
だって、動きの質がどう違うのか、気づかないんですから。
だからこそ、どこの道場でも秘密をつくるんです。
でも、カラダラボでは全く逆の稽古をするんです。
とにかく、自分の動きを全部、言葉にして伝える。相手に自分がどう動いているのかを感じてもらうんです。
 
この瞬間、身体が揺れて、触れた時にはこの胸がわぁ~と動いているんです・・・なんて。
すると、相手は徐々に動きに慣れてくるんですね。
頭ではよく分からなくても、身体がそのタイミング、速さについてくるようになるんです。
 
稽古をし始めて6時間ってのは、ちょうど、そんな時だったんでしょう、きっと。
こちらの動きが相手に気づかれてきたのを感じると、自分の中にこのままではいけない、っていう必然性が生まれて来ます。
この必然性が無ければ動きって変わらないんです。
身体がなにかを求めるってすごい力なんでしょうね。
 
 
 
細かい振動を意識して動いていたんですが、その振動を生むのがどうやら、皮膚にあるような気がしてきました。
体ってのはいろんなところが動いて、これまで、内臓も意識した事があれば、骨を廻したりもしました。もちろん、筋肉もつかってきました。
しかし、どうも、この細かい振動はそのどれでもないぞ、って感じ始めたんです。
筋肉や骨を意識して動いてしまうと、動きが大雑把になってしまうんです。
 
どうも、自分の皮膚だけを意識するのがいいんじゃないか・・・。
そんな直感を得たんです。
相手に触れた瞬間、自分の皮膚を意識をすると、細かな振動を続けられるなぁ、と気づいたんです。
 
そして、大きな転換点はこの後でした。
自分の皮膚がそうなんだから、相手の皮膚もそういう働きがあるんじゃないだろうか・・・?
そんな疑問が出てきたんです。
 
正座をして向かい合い、手を合わせます。
その瞬間、自分の指先の感度をマックスにして相手の皮膚の状態を探ってみました。
相手の皮膚を揺らすにはちょっと、手がかりがありません。
その時やれそうなのは、相手の皮膚を押さえ込まずに、ただ、皮膚が動きやすい方向へと導いていく事だけでした。
 
 
 
こうして言葉にしていると、変な感じですが、皮一枚をすぅ~っと流していくような感じです。
うまくやる方法を説明するよりも、失敗する形を説明する方が分かりやすいかもしれませんね。
 
失敗する形ってのは、触れた瞬間、相手の筋肉に力が入ってしまう場合です。
少しでも、皮膚に対して角度をつけて入ってしまうと、反射的に相手に力を入れさせてしまうんです。
この時の角度はものすごく微妙。
普通に手を使ってしまうと必ず、引っかかってしまいます。
必要なのは身体や腕で相手に入っていくのではなく、手のひらだけになったつもりになって、手先だけで相手に入っていく事です。
最近稽古してきた労宮の感覚が役に立ちました。
その小さくてどこにも縛られない自由な点だからこそ、相手の皮膚の皮一枚のラインを通っていけるんだと思います。
 
 
 
そのラインを失わずに皮膚をそ~っとなでるようにすると、相手は全く抵抗できないまま、崩れていきました。
これまで全く感じた事のない柔らかさです。
ただ、触れて皮膚を流しているだけなのに、ものすごいタイミングで崩れていくんです。
 
自分でも驚きながらその時の技を説明してましたが、きっと、技を受けている相手も不思議に思ったはずです。
 
 
 
面白いのは、こうして新しい動きが出てきた瞬間に、その動きが出来るようになっている、って事です。
その動きに出会ったのがたった5分でも、もう、それまでの動きには全く戻りたくなくなるし、以前の動きよりもはるかに、速く、細かい動きになっているんです。
間違いなく、新しいところへ一歩を踏みだした実感がありました。
 
 
 
一晩たってこうして言葉にし始めていますが、これまで考えていた骨格、筋肉、身体の概念がガラガラとくずれはじめています。
 
トレーニングの話をしましたが、今、この新しい動きを身につけるためには筋トレはもちろん、骨格の正しい位置なんて意識も全部、邪魔になりそうなんです。
 
中国の方では人間を水の入った皮袋と考えたりするそうですが、まさにそんな感じなんです。
自分のこの身体を支えているのは骨格でも筋肉でもなく、皮膚だという感覚が生まれてきています。
この皮膚が動きたい方向を常に意識したくなっているんです。
 
 
 
直前に意識をしていた動きは振動でした。
その振動を出すために自分がコブシの中の一点、労宮になったのを意識すると速さを持った自分でいられます。その速さが刀を交わしたり、相手を崩したりするんです。
 
その一つ前に考えていたのは肘から先を道具とみなして、我を出さずにただ、身体の連動に任せて動いてみよう、という事でした。
その連動が井桁術理の理解をくれたんです。
 
道具として信頼するって書きましたが、どうしても自分は自分である、っていう当たり前のところから抜け出せなかったんです。
でも、肘から先は道具なんだ、って事をうかがった事で、自分自身の我を見つけることが出来ました。
 
自分のこの身体を見たとき、我である自分もあれば、道具としての自分もあり、そして、労宮という点という自分もある事がわかったんです。
自分の中に「層」があったんですね。
 
 
 
この「層」が違う軸でもあったんだなぁ、というのが今の自分の考えです。
昨日見つけた新しい体の使い方は皮膚の自分です。
それより奥に筋肉の自分がいます。
そしてその更に奥には骨格の自分がいます。
 
 
 
皮膚の自分はとにかく「動きたい自分」です。一刻たりとも止まっていたくない自分です。
ワクワクする感じっていえばいいのかな・・・、楽しいですよね。 
逆に恐怖に襲われた時にもブルブル震える自分です。常に動いている自分なんです。
 
それに対して骨格の自分は動きたくない自分です。
どっしりと構えて構造を保ち続ける自分です。
これまで、このしっかりとした構造を使って技もいくつか作ってきました。
 
そして筋肉はその間。揺れ動く自分です。
筋肉には屈筋と伸筋があるっていいます。
伸びたり縮んだりしていますよね。
まさに、そんな感じ。
好きや嫌いを通して毎日を生きる、みたいな(笑)
 
自分の中にこんないろんな自分がいるんです。
 
 
 
ついつい、ちゃんと説明したくってこんなに長くなっちゃいました。
でも、伝え切れていないです。
稽古が出来れば一番なんですが、また、来年早々の浜松で行われる甲野先生の稽古までお預けですもんね。
 
どれだけ「くどい!」と言われようとも、この身体の不思議さを伝える事は諦めません(笑)
自分のこの身体にどれだけの可能性が秘められているのか、それを伝えたくってしかたないんです。
世の中にはいろんな事があって、いろんな事で悩んでいます。
そしてその多くは答えの出ない悩みだったりします。
でも、身体からその問題に向き合ってみると、必ず答えって出てくるんです。
いや、答えが出てくるわけではないかもしれません。
それまで気になっていた問題が気にならなくなる、そう言った方が合ってるかな。
ぜひぜひ、自分の身体と向き合ってみてください。必ず、幸せな気持ちになれますから・・・。
 
 
 
稽古はしばらくお休みですが、その分、ブログで言葉を通してお伝えしたいと思います。
また、お暇な時に覗いてください。
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