【稽古日誌】風邪の効用

この1週間、稽古以外は寝て過ごすという夢のような生活を続けてきましたが、ようやく、風邪も逃げて行ったらしく、ブログを更新したい、という欲が出てきてくれました。また、よろしくお願いします。
 
 
 
それにしても、1週間とは、ここ数年無かった引きずり方。しかも、原因不明で膝が曲がらなくなるというケガも同時にやってくるし。病気をする奴はケガをしない、ケガをする奴は病気をしない、という持論が吹き飛んで行ってしまいました(笑)。
また、新たに、研究しなおします。
 
 
 
ところで、この風邪と膝痛のおかげで大きな発見が一つ、いや、二つ。
一つは甲野先生がよく言われる、竹刀よりも真剣の方が速く動く、という事が、分かった事。
そして、もう一つは肌の感覚を増していくと、身体の外へと意識を飛ばせるようになる、という事。
 
 
 
ちょっと、説明しておきます。
ただ、いつもの事ですが、甲野先生が言われている原理とはきっと、違うはずです。大切にしているのは、そういう事、今回で言えば竹刀よりも刀の方が速い、という事ですが、それが可能だ、という事を身をもって体験する、という事です。
 
通常考えて見ると、刀よりも竹刀の方が軽いので、速く動かせるような気がします。
ただ、私は刀に関しては素人。甲野先生の剣を見よう見まねで時々、一人で木剣を振るぐらいです。
そして、その振り方は安易に手先に任せずに、身体全体を一つにして振るものですから、軽い竹刀を手にしても、それが速い、という感覚ってありませんでした。
 
それが、先日、この剣にも皮膚になる部分ってあるんだよな、って考えたんです。
もちろんその皮膚になる部分と言うのは外側の部分です。
普段、その皮膚を働かせて扱おうとはせずに、剣を掴んで扱っていた事に気づきました。
 
当然、掴まずに、剣を持てば思うようには触れません。もう、落とさないようにするのが精一杯。
でも、この時、右手の小指で刃筋側のラインを下へと引きずると剣が落ちていくんです。
掴まなくても、触れるようにするだけで刀が動く、というのは大発見です。
そして、次の瞬間、今度は左手の親指で峰側のラインを引きずると切っ先がそれに呼応してそれまでとは逆に飛びます。
 
この速さがこれまで出せなかった速さなんです。
通常の握りで剣を動かすようにすると、どうしても、剣を腕、もしくは身体で操作しなくてはいけません。
身体ではなく、指先が動くだけで刀が動かせるようになれば、速さが違ってきて当然です。
 
 
 
 
うまく説明が出来なくてすいません。
ただ、お伝えしたいのは素人のままでも、重いものが軽いものよりも速く動かせる、という事がありうるのだ、と知って欲しいのです。
その速さは長年の修練の賜物だと、つい、考えてしまいがちです。事実、甲野先生の見えない剣の速さを見たとき、そう思いましたもん(笑)。
でも、技は技です。シンプルな動きについては、身体の使い方が分かっているかどうかがカギになるんだ、と改めて勉強になりました。
 
 
 
これはもう一つ、こんな技でも同じような事が言えます。
マンガの世界では触れた瞬間、相手の身体が勢い良く飛んでいきます。でも、なかなかその「触れた瞬間」相手の身体が動くだなんて想像も付きません。
なぜなら、そこに経験がないですから。
 
 
もっともっと、しっかり稽古をしなくちゃそんな世界には入れないんだ、と思っていました。
でも、違うんです。これも、本当に認識が一つ違うだけで飛んでいくんですよね。
こんな感じで人が飛んでいきます。
 
 
 
 
 
 
 
この時のポイントは全然難しくありません。
ただ、「皮膚」をずらして動かすだけです。
逆にもっと、複雑な秘訣があるんだ、と思っている人がいっぱいいるはずです。
でも、違うんです。ただ、相手の皮膚を考え、皮膚を動かしてあげる事を考え触れただけで、相手の体は動くんです。
 
 
もちろん、ここから更に効率よく相手を投げたり、崩したりする事は工夫をしていけばいいんです。そしてそれらが積み重なって技になっていくんだと思います。
ただ、その前段階で自分を、相手をどう考えるかがずれていくと、何十年稽古をしてもたどり着く事はありません。
 
 
飛ばされる感覚も味わいたかったので、武道経験の全く無い女性に試してもらいました。
ちゃんと、自分の身体がふわっと浮かされ、飛ばされるんです(笑)。
マンガの世界ですよね・・・。
 
Stobashi1
 
 
Stobashi2
 
 
もう一つの身体の外へと意識を飛ばす感覚はまた、明日にでも更新します。
こっちも楽しいです。
プチ幽体離脱ですから(笑)
 
 
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