手指は掴み取るもの。股関節、肩甲骨は移動するもの。

手指のキャスターと股関節のキャスターの役割分担について分かってきたことがあるので、言葉にして残しておきますね。
 
 
 
股関節や手指の第三関節はキャスターのような構造を持っていて、外からの力、つまりストレスに対して、自動的にバランスを整え、受け流してくれる事がわかり、それに伴い、動きの質も格段によくなりました。
 
当初、股関節のキャスターも手指のキャスターも同じキャスターなんだ、と考えていて、どこの部分であっても、キャスターが一つでも地面についていれば、自分の身体のバランスが整えられるんだ、と理解していました。
 
もちろん、これは間違いではなく、実際に相手に押されたときなど、股関節で力を受け止めても、手指で受け止めても同じように、相手の力に身体を力ませることなく、受け止める事が出来るようになります。
その時、股関節を働かせるよりも、手指の方がなじみが深いだけに、やりやすいな、と思うぐらいだったんです。
 
 
 
しかし、手指のキャスターが細かく動かし、制御できることが分かってきて、相手との間に「ズレ」があることが分かってくると、この手指と股関節は根本的に目的が違っているのだ、と思うようになりました。
 
 
 
コイン取りという遊びがあります。
手のひらの上に乗せたコインをこちらが取り上げる、というシンプルな遊びです。
遠慮なく、取り合う、という事で特にルールは決めません。むしろ、取られてしまったら、今度は取られないように、厳しくしていく、という風に考えていきます。
 
遊びですから相手に遠慮はありません。
最初、不慣れで取られていても、そのうち、だんだんと取りにくくなって行くものです。
 
この手をいかに速く動かすか、しかも、気配なく。
どんなに速く動くようになっても、気配が出てしまえばなんともなりません。静かに、速く、という矛盾した動きを学び、試せるのがコイン取りです。
 
 
 
身体を速く動かす方法はたくさん、あります。それこそ、人それぞれ、コツを持っているものです。
私自身もこれまで、たくさんの事を考え、そして、捨ててきました。
きっと、また、動きは変わるでしょうが、聞いてください。現時点での一番の工夫を。
 
 
 
 
股関節と手指の働きが違う、と書きました。
ゲームセンターにあるクレーンゲームを思い出してください。
 
移動して、掴む。
 
二つの違った動きがあり、ぬいぐるみなどの景品を取り上げることが出来ます。
どんなに正確な場所へとクレーンを移動しても、掴む力が弱ければ取れませんし、どんなに掴む力が強くても場所が違っていれば取れません。
 
 
 
ゲームではあたりまえの事も、自分の動きとなるとなかなか冷静に分析ってできないものです。
手を動かし、試し、想像しながら聞いてくださいね。
 
 
 
ちょっと前のブログに、手指のキャスターが使えるようになると、手自体が移動する事ができる、と書きました。
それは、間違いないことですが、せっかくこの身体があるんです。役割を分担することでより、素早い動きができるはずです。
 
今日は手指のキャスターが掴み担当、肩や腰が移動担当、と考えてみることにします。
普通に考えれば、まず、コインの位置まで手を動かしますよね。
そして、次に、指を使って、つまみ上げます。
たった、これだけの動きなのに、「敵」がいるだけで、難易度はけた違いにあがってしまいます。
 
 
 
なぜなら、動いた瞬間、気配となり、相手に認識されてしまうから。
ようやくたどり着いても、もたもたコインをつかみ取ろうとしている間に相手に防がれてしまうんです。
 
 
 
この問題に対して、動き方を「逆」にしてみました。
まず最初に行うのは、コインを掴む際の手指の角度をそろえるんです。
 
指は不思議で、届いていないにも関わらず、コインを取ろうと想像すると、そこになかなかのリアリティで想像できるモノなんです。
しかも、実際に対象であるコインは目に見えていますしね。
 
 
コインと指との角度を整えると、そこに安心が生まれます。
この手がコインにまで届きさえすれば、もう、なんの苦労もなく、ただ、掴めばいいのですから。
 
 
 
どうやら、無意識の中で迷いがあったみたいです。
せっかくコインにまで手が伸びても、そこから指を使ってつまみ上げるとき、取れないかも・・・と思ってしまっていたんですね。
角度的にずれていたからです。
その角度が整い、最短距離でのつまみが出来るようになると、迷わず、コインに向かっていけます。
この手、身体の具体的な速さの問題よりも、アタマの中に出来てしまう迷いのロスの方が大きかったようです。
 
 
 
まず、最初に指を整える。
そして、移動。
 
 
順番を変えただけなのに、気配は消えるし、速さもあがってきているようです。
気づき一つで世界が変わる、それを体感するには面白い遊びではないかなぁ、と思います。
お試しあれ。
  
 
 
 
実は、これ、すごく大切なことだと思っています。
例えば、仕事でなにかをしよう、と考え、計画を立てたとします。
まずは目標にたどり着くためになにが出来るか、とがんばるでしょう。
おおざっぱな目標でも、近づくところまではいけるはずです。
 
ただ、実際には良いところにまではいけても、つかみ取ることが出来ない人はたくさんいます。
じつは、これ、先ほどのコイン取りと同じ事が起こっているんです。
良いところにまで行っても、最後の最後のつめをイメージできていないために、つい、迷い、考え、チャンスを逃してしまっていたかもしれないからです。
 
 
最後のツメをちゃんと、イメージできていれば、チャンスが来た瞬間、逃さず、それを生かせられますから。
 
 
 
手指の役目は最後のツメです。
つかみ取ることそのものです。
それに対して股関節や肩甲骨は移動です。
動物は移動するものです。
私たちは手指を進化させ、より、細かく動かせるようになった存在じゃないですか。
ちゃんと、その進化された部分をまず、活かして、後は移動したり、流れに乗っていれば、望むもの全てをつかみとる事が出来るかもしれませんよ。
 
 
 
・・・夢が広がっちゃうな(笑)。
 
 
 
暑い日が続きます。体調にはお気をつけください。
ありがとうございました。

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