着物を着て過ごす時間が増えてきてわかってきた事があります。
それは身体は意外と単純で、それぞれに役割があったのだ、という事です。
身体を、
背骨、
脚部、
足、
の三つのグループに分けてみます。
私たちはつい、腰に力を入れます。
この腰に力が入ってくると、感情が揺れます。
この感情の揺れを生きがい、生きている力と感じる人も多いのではないでしょうか。
背骨の役割はどういう気持ちでいるか、どんな性格でいたいかを決めることです。
この背骨が固くなってしまえば頑固になり、世の中を柔らかく見れなくなっていきます。
脚部は感情がありません。
淡々とこの身体、主に内臓を含めた上半身の重さを引き受け、立ったり、座ったり、物理的世界の中で動きを作るものです。
乗り物のような存在かもしれません。
ですから、すごく、クールです。
どんなに、熱い思いをもっていても、この脚部には届きません。
脚部は淡々と使う、のがいいみたいです。
足はちょっと、私たちに似ています。
感情もあるような気がしています。まだ、ちょっと、あいまいなところがありますが。
ただ、この足は不自由です。その場から動けません。
いや、歩いているじゃないか、と言われるかもしれませんが、それは嘘です。
足だけで歩こうとすると蹴り足で進まなくてはいけませんから、やがてくたびれます。
また、前に進んだとしても、後ろへと残したものにずっと、引っ張られるようになります。
自分が動かないもの、その場を覚悟してみると、この足は実に細かい動きをします。
何者にもなれる自由なこの世界を暮らしていると、つい、気持ちは外へと大きくなりますが、根本的に私たちはもう、この場にいて、動けないんだ、と思うことも大切です。
自由に、自由に、と言われますが、言われ続けると、自由でない自分が見つかってつらくなります。
でも、その不自由の中で生きていくぞ、と認識できると、そこはもう、プライベート空間超楽しい世界です(笑)。
身体は世の中の縮図です。
覚えると楽しいですよ。