発想の転換

昨日面白い感覚があったので報告します。今日はちょっと「技術」的です。僕的にはココロも十分に技術的なんですが、どうしても言葉にするとあやふやになってしまうので、今日はしっかり「カラダ」を意識して書いてみますね。

状況で言えば、ベッドに座っている人を車椅子に移動させたい時の技です。色々な方の話を聞いていると、人によって、施設によって「方法」は違うようです。当たり前ですよね、移動させる人、移動される人、みな同じではありません。体格差、カラダの状況、全部違ってきます。ですからこれから紹介する技も、これが「正しい」というわけではありません。参考程度で聞いてください。

見た目の形としては座っている人を立たせずに、そのまま抱えて向きをかえ、イスに移動しているように見えます。目で見た動きをそのまま行おうとすると、手で「上げたく」なってきます。でも上げてしまえば、やっぱり「重い」です。大切なのは上げない事。でも目で見ると、上げているように見えるので、上げたくなる。このギャップをどう埋めるかがポイントみたいですね。

これまでも「似たような」動きで工夫をしてきましたが、これほど「上げない」ですむとは思いもよりませんでした。実際に技として形になってみれば、どうして気づかなかったかな?と思えますが、仕方ありません(笑)

上げずにどうすれば抱えた形を作れるかと考えてみると、「相手よりも小さくなる」しかありません。正座をして相手の正面(少し角度をつけたほうがいい時もあります)に座り、相手のわきの下に自分の頭を入れカラダを少し前に倒しながら肩に乗せる様な感じで体重をこちらへ少しずつ移動させます。

ココからがポイントです。肩に乗ってきた相手の体重を感じながら、自分がもう一段「小さく」なってみましょう。肩で支えていたのが背中に移ってくるように意識してください。自分は小さく丸まるようになってもいいので、とにかく「小さく」なります。しっかりと相手の体重をもらうことができると、相手のお尻が浮いてきます。この時手で少し誘いをかけてもいいですが、決して力で上げてはいけません。

浮いてくればイスの方向へと自分のカラダ全体が向き変われば、後は腰を下ろしてもらうだけです。相手の体が前へと倒れる事で、お尻が浮き、そのままの形で向き変わり、ゆっくりとお尻を下ろしてもらいます。それだけの動きで上げることなく移動する事ができます。

上から(自分は立ったまま)という形にこだわってしまえば、どうしても相手を引き上げなくてはいけません。いかに楽に出来るか、負担をなくすかと言う事を第一に考えて工夫をすればまだまだ変わって行きそうです。講座では「手順」を伝えて技ができるようになる事を第一にはしていません。色々な技を通して発想を転換する楽しさを知ってもらいと思っています。

今介護を必要としない男性陣にも「発想をかえる」と言う点ではパズルのように楽しいと思います。力の強い男性はどうしても自分の力に頼ってしまいますから。もう「手はつかわない」それぐらいの気持ちで向かってみてもいいかもしれませんね。

目で見れば、体感すればすぐの事もやっぱり「言葉」にすればこれでも足らないぐらいです^^なにげない言葉で落ち込んじゃう事も多いですが、うまく使えば言葉で気持ちよくさせる事も簡単なはずです^^言葉に振り回されないようにしたいですね。そのためには言葉を「感じる」ことが必要なのかなぁと思っています。また意見を聞かせてください。

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