古武術に学ぶ身体感覚 その3

さて、身体感覚という言葉を頭だけで考えていても始まりません。身体感覚から次に来るものがあります。ストレスと幸せです。自分にとって心地良いのか、排除したいものなのか、プラスかマイナスかを考えて見てください。

例えば、武術的な場面、戦いの場面で考えると、よほど戦いでワクワクする人以外は戦いの場面で得る感覚(怖さとか不安ですね)はストレスだと思います。精神的なものだけでなく、直接痛みとしてやってくるストレスもあります。武術においてはこのストレスをどう扱い、自分にとって力に変えて行くかがポイントなんです。

ストレスはどう扱っていけば良いのか・・・。今はストレス社会という言葉も当たり前すぎて使わなくなってきました。現代に生きる子供達はたくさんの習い事、自由の無い遊びなどで、常にストレスにさらされてきます。それでいて、ストレスをどう考えるのか、という事について学ぶ機会はほとんどありません。

社会全体でストレスは悪だ、との認識で、ストレスを溜めずに、どうとっていくかを追い求めています。でも、その効果はといえば・・・ほとんどありませんし、むしろこれだけがんばっても・・・と出口が見えない状況です。

このストレスも私たちが持っている先入観によって出来ている、としたらどうでしょうか?武術で考えると、ストレスというのはとっても簡単に見えてきます。自分にとって嫌なものをどうすればありがたいものに変えていけるかだからです。武術は常に一番ネガティブな所から考えます。どういう事かといえば、不意打ちに会うかもしれませんし、相手が大勢かもしれません。ルールがないのが武術であり、その稽古は常に自分の中にある余裕を消しながら行くのです。

もうそれ以上、ネガティブに考えられないところからスタートするからこそ、ポジティブに考える事ができるようになるのです。

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