楽しいってどんなこと?
楽しいってどういう事かわかる?
幸せってわかる?
お金があったり、友達の数じゃないんだ。
もちろん、お金がなくて、仕事もなくて、友達もいなければ不安だよね。
だけど、そんなどん底から、抜け出した時、当たり前だった事が幸せってわかるでしょ?
サッカーして楽しいのはなんで?
点が入るから?
違うよね。
勝つか負けるかわからない相手と、ドキドキ試合をするから楽しいんだよね。
日本代表が素人の中学生と試合しても、楽しくないでしょ?
みんなわかっているはずなのに、なぜか、間違えちゃうんだ。安心を先に求めちゃう。
ゲームや漫画は楽しいでしょ。
でも、それは、切磋琢磨して、競い合ってるから。楽しいものが残っているだけ。
野球マンガなら、絶対流行るなんてものはない。大切なのはバランス。ドキドキできるかどうかなんだ。
つまり、楽しい、幸せってのは自分の限界から、ちょっと先を見れる時に感じられるものと言えるんだ。
決して、安心から生まれるものではないんだよ。
どんなときにも、ニコニコ楽しく、充実している人がいる。失敗に負けずに、バネにして、また、頑張っている人が。
とっても楽しそうだし、幸せそうだ。
そんな人になりたい!
そう思っても、なかなか、なれないのが、現実。
その理由は限界を出し切れないからかもしれないよ。
でも、その理由は君のせいじゃない。
世の中がそういう仕組みになっちゃったんだよね。
限界を感じさせずに、安全に、暮らせる世の中がいいと思って、僕たち大人が作ってきたんだ。
今はとっても便利になってしまったよね。
限界を出し切らなくても、ボタンを押せば、機械が動く。
知りたいことができても、図書館や人に聞かなくても、インターネットからすぐ、答えが出てくるようになった。
全力を出したくても、出せなくなってしまったんだ。
昔、僕が子供の頃はたくさん遊ぶ時間があった。
それこそ、全身を使ってクタクタになるまで遊べた。
でも、今は遊ぶ時間も勉強時間にやっつけられている。
ドキドキする危ないことも、やれないくらい、安全だ。
限界をしらないままで大人になっちゃってるんだ。
限界を知らないって事は本当の楽しさも知らないって言うこと。
すると、いい大学にいけば楽しいはず、お金持ちになれば楽しいはず、残念ながらそんな単純ではないんだよね。
多くの大人が健康が第一、って言ってるよね。
でも、その健康も怪しいから、気をつけて。
難しい事を話してるけど、大切なのは限界が楽しいってことに気づくこと。
武術の稽古はまさに、その限界を教えてくれてるんだ。
だって、いつも一人だし、武器もないでしょ。
その状況で「もう、ダメだ」って思うかもしれないけど、ちょっと頑張って力を入れたら、なんとかなるかも、ってわかるよね。
そうやって、自分の中の限界を取っていくんだよね。
大人には難しい事でも、子供の心を持っている君たちならすぐわかるはず。
自分を信頼しながら、諦めない大人になってください。
と、珍しく子供達に語っている事を書いてみました。
簡単すぎました?