オリンピック種目の入れ替え問題が話題になっている。
特にレスリングがその候補に挙がった事で、まさか、と思った人が多いみたい。
その理由も明確でない事から、日本外し、イスラム外し、ヨーロッパが強くない、など、いろいろみたい。
オリンピックと言えばレスリング、と決め込み、ロビー活動をしてこなかったから、なんて事を言われたりして。
まぁ、その真相は分からないし、正しい真相なんてあるはずがない。どんな理由であっても、不満は出てくるだろうし、言い分も分かる点もあるはず。
個人的にスポーツにそれほど興味がないので、どこにも応援する気持ちもないのだけど、今日一つ面白い事を聞いた。
オリンピック種目であり続けるには人気がなくてはいけないのだそうだ。
そのためのチェックにはユーチューブやフェイスブックなどの人気も加味されるとの事。
一時期の商業主義から少し現実路線へと舵をきっている様で、その流れで種目数を削減し始めているらしい。
そして現会長であるロゲ氏はお医者さんだとの事。
医者だからでしょうか、彼の中に現在の若者たちのスポーツ離れを問題視しているんだそうです。
どこの国もおんなじなんですね。体を使って、汗をかくスポーツよりも、ゲームやネットのような頭を使う遊びの方へと若者たちは向かっているようです。
私もそうでしたが、体を使い遊ぶよりも、コンピューターの中を動き回る方がダイナミックで楽しい、って思っていた時期がありました。
ちょうどファミコンが出てきた時代でしたので、すっかり虜になりましたもん。
どんどんゲームが進化して、ゲームは子供だけのものではなくなり、大人をも虜にし始めました。
ゲームばかりしていてはよくない、と分かっていても、つい、触ってしまっている人が増えています。
でも、これも仕方ないかもしれません。
だって、体を動かして得る感覚に私たちは鈍くなってしまったから。
頭の中をぐるぐる廻した方がワクワクしちゃうようになっている人の方が増えています。
私はたまたま、甲野先生という人に出会いました。
実際に触れてその不思議な感触を実際に感じられた事が古武術の世界にのめりこむ大きなきっかけでしたが、もう一つ理由はありました。
その理由はそれまでの運動、スポーツへのイメージもガラリと変えてくれたんです。
普通スポーツは体を動かすところから始めます。
でも、甲野先生から学んだ動きは「動かない」んです。
手順を覚えるのではなく、その手が触れた瞬間の感触を逃がさないようにして、じぃ~っと意識を集中するんです。
動くどころか、動かないように意識をし続ける事を始めました。
人間には五感がありますよね。
その五感があるから今、私たちは現実を感じられています。
でも、その五感の事をこんなにも知らなかったのか・・・と愕然としました。
私たちは主に視覚から情報を得ているって言いますけど、普段余り意識していない触覚から勉強し始めたのも良かったのかもしれません。
慣れていない分だけ、ほんのわずかな実験があたらしい刺激をくれるんです。相手と触れた時にはそこに圧力が生まれます。
その圧力は嫌な人との間では衝突と言われ、好きな人との間では結びつきです。
実は、この嫌なものと対した時の衝突が自由自在に変えられるんです。
古武術はその衝突を変えることができる、ってわかったことで、古武術の可能性がぐっと広がりました。
特に苦手なものばかりでしたからね、私は。
その嫌なものとの関係が稽古を続けられたら変えられるかもしれない。それが大きなモチベーションになりました。
最初の一歩は小さな一歩でした。
でも、その一歩がちゃんと出せたことで、気がつくと、今、こんなにも幸せで楽しく暮らしていけるようになったんですもん。
その理由が触覚を始めとした感覚の再認識でした。
再認識が簡単にできる事こそ、古武術のすごさかもしれません。
ただ体を動かすのではなく、体が動く事をしっかりと感じる事ができるんです。
古武術の楽しさは人それぞれ。