他者との角度

今日は他者との「角度」についてお話しします。
 
 
今、自分のカラダでリアルタイムに見つかっている事なので、まだ、うまく言葉になっていません。ただ、それでも、自分の感じ方一つで、ありとあらゆるモノとの「関係」が自分が原因でこじれていたのかもしれない、そう思うようになりました。誰にとっても大切なことだと思いますので、感じていることをそのまま、ありのままお伝えしておくのもいいかな、と書き留めておきます。
 
 
 
手指のキャスターを見つけ、この「手自体」が動ける事に気づきました。これは、以前、カラダの中に親子関係がある、と言いましたが、末端である孫(手)が自分で自立し、生きていけるようになったかのような感じです(笑)。
 
動くと言うことは「目的地」があります。たどり着く先があるんです。考えてはいなくても、たどり着いてしまえば、そこがゴールだとわかります。
すると、そのゴールに着いた瞬間、「ずれている」事が気になるようになったのです。
 
 
 
武術っぽく、突きでお話ししましょう(笑)。
手を相手の顔面に向けて放つ。これが突きです。
いかに気配なく、威力を乗せてつくのか。武術家はそれに一生をかけています。理想的には(笑)。
 
相手と自分との間にあるのが「間合い」です。相手との距離を縮めるために移動するんですが、これまで移動は身体、脚の役目でした。腰をねじったり、脚で身体を押し出したり、肩を入れたりして間合いを消す努力をしてきました。
 
この時、相手を斜めに見てしまうと、突きが遅れますし、気配がばればれで、役に立ちません。相手の正面に立ち、突く、当たり前の事です。
 
 
 
腕や身体で突くのであれば、これでいいんですが、手自体が動けるようになってくると、手と目的地の関係が重要になりそうです。
 
どんな場所からでも、手が、気配なく、飛ぶ。これは非常にメリットのある新しい突き方ですが、ここにも相手のとの間に角度のずれがあったんです。
この時、手指のキャスターを利用して、まず、相手との角度をあわせます。すると、その後のずれを気にすることなく、ただ、飛ばせばすむようになります。
 
 
 
どうやら、私の無意識は分かっていたみたいです。
このままでは、ずれてるよ、というのが。
角度をあわせた瞬間、心に余裕が生まれてくるのを感じました。
やれることはやっている、そういう自信です。もし、これで交わされたりしても、悔いがない感じです。だって、今、その瞬間の突きが「今までの」自分の中で一番の突き方だってわかっているから。
 
 
 
自分以外のものとの間にズレが見つかり、気になりだしてみると、今度はそれを整えざるをえないようになってきます。
例えば目の前のペットボトルをとるとき、それまではただ、手をペットボトルまでのばせば良かったのが、それでは、余分に力が必要だとわかったんです。
ちゃんと角度をそろえて出すようにすると、触れた後、ほとんど、力むことなく、ペットボトルを扱うことができるようになります。
 
 
 
日本には「お作法」がたくさんあります。そのお作法は現代のような効率、成果重視の世の中では建前的な立場になっています。
しかし、これは私たちの祖先が作り出した機械に頼らず、自らの力で生きていく知恵だったんです。
この機械やコンピューターだらけの世の中にあっても、なくしてはいけない大切な知恵なんです。
 
 
 
物質的にはこれだけ豊かになり、不満などでないような世の中ですが、なかなか私たちの心は満たされません。それはほんの少しの角度の違いでしかないかもしれない、それを感じることができました。
 
 
 
なにかを考えるときに善か悪かと考えると、進める方向は二つだけです。細かい角度処理はできません。しかし、キャスターは違います。どんな力があろうとも、そのまま受け入れ、流すことが出来ます。相手に対して、一番良い角度で入りきる事ができるんです。
 
 
 
自分の中にある「自由感」それは身体で感じるのが一番です。いや、むしろ、身体を持っている以上、身体が自由に軽やかにならなければ心に自由はうまれない、と思っています。
 
 
カラダラボで求めているのは成果的に考えるとどうでもいいものに見えるかもしれません。だって、ただ、手を上げたり、歩いたりしているだけですもん(笑)。
でも、そこに自由感を感じられるようになると、自分の機嫌が抜群に良くなります。なにかをするとき、機嫌が悪いまま、恐れを持ったまま取り組んでもうまく行くはず無い、うまく行ったとしても、楽しくない、そう思っています。
 
一見どうでも良いことばかりをしていますが、周り回って一番、幸せな気持ちを得るのに近道になっているんです。自分が持っているスキルを最大限に生かすために機嫌を良くする、そんな事かもしれません。
 
 
 
ありがとうございました。

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