11月12日の木曜日、子供達に普段はやらない「槍」の使い方を教えました。
槍に見立てた 棒を持たせ、
どう使う?
と問いかけると、みんな例外なく、そのまま槍を突きます。
その際、身体はどう動かしていると、肘だけを使って前へと押し出すのです。
こうなれば、先生である私の出番です(笑)。
そうじゃない、こうするんだ、と、槍を構えます。
この時の構えは後ろの手を顔の前程に上げた構えです。しかも、握った手のひらは外を向いています。
この構えから、顔の横にある後ろの手を手首を返しながら、回していきます。
すると、結果的に槍は前へと押し出されます。
何度か見本を見せながら、それをやらせてみて、一緒に、練習をしました。
それがきっと、身体に油を指したんでしょう!
肩のあたりの動きがそれまで感じたことがないぐらい、軽くなっていたのです。
槍をおろし、サンドバックめがけて突きを出しました。
自分でも驚くほど、早く、そして、速く拳が飛んでいきました。
こういう時が一番楽しいのかもしれません。
自分が思いもしなかった動きがまず、「できる」のです。
練習を重ねてやれるようになるのではなく、いきなり、出会うのです。
今回は突きでした。
これまで、何千回、何万回も行ってきたであろう、突き。
古武術に出会わなければ、年々衰えていく身体を恨めしく思っていたはずです。
それが、気付き一つで動きががらりと、それも、想像もできないような動きにかわります。
世の中にはたくさんのエンターテインメントがありますが、自分の身体の楽しさには比べようがありません。身に起こることはすべて、オーダーメイドなんですから(笑)。
肩の動きを書いておきます。
まず、なにより、前へはいきません。
もちろん、目標となるものは前にあります。
どうやら、これまでは、その目標を意識した瞬間、つい、肘や手首が前へと行き過ぎていたようです。
肩の関節の構造はキャスターのようです。
後ろへ下がったはずの肩は結果的に、前へと方向を変えていきます。
肩の動きは勢いをだし、その勢いを肘や手首が受けて、結果的に突きとなります。
今回、油の入った肩は早さの常識を超えてくれました。
まっすぐ進むよりも、肩は遠回りをすうるようにした方が、早い、と気付かせてくれました。
急がば回れがこんなところにでてきました(笑)。
もう一度言います。
まず、肩が後ろへ下がります。
その際、腰は動かないように。この辺りがナンバ的なんだと思いますが、身体を捻じらないようにします。
肩だけを後ろに回すと、すぐに重力を感じられるようになります。
その重力にいかに乗るのか、がカギになります。
そして、いつの間にか前にいくんです。
実はこれまでも肩は回すものだ、とわかっていました。
でも、回した後、重力に乗れるとは考えもしませんでした。
経験したことがないから仕方なかったと思いますが、それにしても、もったいない話です(笑)
どれだけ使っても重力は減りません。
そして、使えば使うほど、そのタイミングが身体になじんできます。
たった数日ですが、もう、自分のタイミングは重力込みのものとなりました。
あらゆる手の動きにこの落ちる肩を使います。
自分が持っている技、すべてのレベルが上がります。
そして、この肩の動きは股関節の重力へつながります。