手首を押さえてもらう。当然、困る。でも、実は、困らなくてもいいんだよ。
・・・といわれても、困るものは困る。抑えられてそれを感じている当事者はものすごく感じている。身体が感じている事と、いや、大丈夫なんだ、自分は自由だ!と思いたい自分の頭が相容れないとこれはまた余計にツライ。
大垣の文化センターの講座でこういう実験をしてきた。
しっかりと両手で全体重を乗せるように、手を抑えてもらう。まぁ、形はどうでもいいだけど、とにかく相手を困らせるように、全力で。
その状況設定で上げようとすると、当然、困る。その困る事を解消するために、様々な技を開発してきた。三角のバランスもそうだし、反射神経の技もそう。
でも、もし、困らなければ、それまでどおり、普通にふるまい続けられるかもしれない。それを確かめる実験。
手を抑えられているとき、一番気になるのは当然、抑えられている手だ。この時、もう片方の手が残っている。その手で、自分の上腕をぎゅ~っと抑えてみる。身動きが取れないように。
どんなに抑えれても、実は上腕は困らない。そのまま普通にふるまうことが出来てしまう。
そして、この時、実は抑えられている手の事を忘れてしまっているのだ。不思議だけど。手を上げようとするから、衝突する。それを困っていると感じてしまうから、相手は困らせようとするのだ。でも、自分の中にもっと困るだろう状況を作り、そして、それを困らないで動ける身体を見つけられると、なんの問題も無かった事を「思い出す」のだ。
忘れないうちに、書きました。