人間は歳をとる、それを忘れてはいけない

甲野先生とであって20年経ちます。
20代の頃、40代は「大人」だと思っていました。でも、実際に自分が40代になってみると、全然、「大人」になっていません。それでいて「子供」でもないんです。「大人」になりたい、ならなきゃ、というまま、20年経ってしまいました(笑)。
 
 
 
ただし・・・、身体は衰えているのを感じます。徹夜もできなくなってきたし、若い頃と同じように食べて飲んでみると、後が大変です(笑)。
 
しかし、不思議な事に肉体そのものは衰えても、動きは20代の頃よりも比べ物にならないほど速く、軽くなっています。考えもしなかった夢のような技も出来るようになって、本当に不思議です。実は理由はわかっています。「動き方」が変わり続けているからです。
 
 
 
知っていますか?、単純に「歩く」というだけでもものすごく繊細な変化が身体には起きています。一歩足を進めるたびに体重が偏り、バランスを崩します。そのバランスの崩れを気に出来ればいいんですが、たいていは無意識に肉体に任せます。まぁ、無理をするって事です。
その無理が一日一日と積み重なって、30代の頃には肩こりと腰痛が出始めて、それでも仕事に勢いが付き始めて休めなくって、がんばって、そのまま40代になって痛みが慢性化して時々の整体通いなんかでごまかす、そんな人、まわりにいませんか?
 
甲野先生に出会い、「身体感覚」という事を学びました。身体の声を聞く、そんなイメージだと思ってください。大丈夫、とアタマで言い切ってがんばるのではなく、身体に無理な力が掛かっていないか、小さな動きだったとしても、全身で分担して動けないかを追及していきました。
その結果、20年歳をとったにもかかわらず、動きは軽く、速いのです。そして、声を大にして言いたいのは、これからもまだまだその動き方は進化をしていくだろうなぁ、という希望を持てている、という事です。
 
 
 
誰でも絶対に歳をとります。
特に日本人は加齢による負担が大きいです。理由は簡単、骨や筋肉が欧米人と比べて弱いからです。内臓の強さも違うかもしれません。外国人のようにいくつになってもステーキをがっつり食べられる自信ってありますか?私はありません(笑)。
 
 
 
今、多くの人が頼りにしているエネルギーは「筋肉」です。それも、鍛えるだけのトレーニングで。仕事の合間、生活の合間に少しでも筋トレを・・・と、テレビでは良くやっていますが、その努力を筋肉ではなく、動き方に向ければいいのに、と本当に思います。
皆、言われるまま、がんばってトレーニングしています。確かにトレーニングをすれば筋肉は大きくなるでしょう。でも、それは年齢と共に効率が悪くなっていきます。そして筋肉トレーニングは「栄養」「トレーニング」「休息」のサイクルが止まってしまうとせっかくついた筋肉が今度は邪魔なお肉に変身してしまいます(笑)。
 
いいですか、私たちの骨は弱いんです。歳をとった時、不意に転んで骨折をしたらどうなると思います?考えた事がありますか?それまでトレーニングで身体を維持してきた人が一気に動けなくなってしまいます。なぜなら、筋肉でしか動く事を知らないからです。 
 
 
 
筋肉で動けば疲れます。世の中には疲れたい人もいるんです。子供たちはその代表(笑)。無駄に走り回って、汗だくになって、すやすや眠ります。それが身体を大きく強くするのをわかっているんでしょうね。でも、肉体の成長がとまって衰えていく私たちはそれだけでは駄目です。筋肉以外の動き方も知っておいたほうがよくないですか?
 
ちゃんと、知った上で「選択」すればいいんです。全力を出し切って眠りたい人は汗をかけばいいし、そうでなければ他を選べばいいんです。それこそ、病気や怪我で全力を出せないときには筋肉以外の力をエネルギーとして選択しなくてはいけなくなります。
 
 
 
実は今からの時代は本当に危ないです。
なぜなら、ものすごい機械がどんどん出てきそうだから。
筋肉の力は使えなくなる、といいました。でも、その代わりに機械がやってくれるようになります。小型のアシスト装置を身体につければ、自分だけでは動けなくても、機械の力に助けてもらって動く事ができます・・・、身体の動かし方を求める人はもっともっと、減ってしまうかもしれません。
 
実際、仕事の現場は機械だらけです。工場では当たり前のようにロボットが動きます。物流の世界ではフォークリフトは当たり前です。介護の世界も機械だらけ。もう、身体だけではなくなりました。仕事量ははるかに増えましたが、楽しいと思っている人が減っているんです。動けるけど、楽しくない。機械の力は心にまでなかなか届いてきません。
 
理由は簡単、身体が動いていないから。身体がずっと、ぎゅっと、窮屈にされていて、動いているのは機械だからです。身体が動かなければ心にも楽しさは生まれません。どう考えたって、この先機械抜きで生活するのは無理です。だからこそ、機械と暮らしながらも、自分はちゃんと身体を使っているか、身体の声を聞かなくてはならないと思います。 
 
 
 
筋肉以外の力を少し紹介しておきます。「お尻」から生まれる力です。
前に歩く時、膝を上げたり、地面を蹴ったりして歩くと、それは「筋肉エネルギー」です。まぁ、馴染み深い、いつもの、普通の動き方です。
でも、この時、まず、「お尻を振ります」。ぶんぶんすばやくではなく、ゆっくりです。ゆっくり、お尻を左右どちらかに振れば、自然と身体が横に向いていきます。足が自然と浮いてくればそのままお尻の「重さ」を感じながら「踏む」ようにして、前へと出て行きます。たった、これだけの事ですが、肉体に掛かる負担は全然違います。
 
もし、今、あなたが身体のどこかが痛いのなら、その効果に驚くはずです。身体のブレがなくなり、少ないエネルギーで身体を動かす事ができるので、動く事によりバランスの崩れがなくなっているからです。
 
 
 
この歩き方で凍った道を歩いてみました。踏んでいるんですから、滑りにくいです。逆に筋肉エネルギーだとどうしても「蹴って」進むしかありません。踏ん張りの利かない氷道ではどうしたって転びやすくなります。
 
つまり・・・、雪国の人たちは自然とそれを身につけているかもしれないんです。ただ、凍った道がなくなると、筋肉エネルギーに戻ってしまいます。滑らないから気が緩むんでしょうね。筋肉エネルギーとお尻エネルギーとの区別をアタマで出来ていないから、使えません。せっかく動くお尻を持っていても、使わなくてもいい環境にいれば発揮されない。なんてもったいないことでしょう。
 
 
 
もう一つ例を。この例えを思いついた時、昔ってすごいな、と思いました(笑)。
お尻のエネルギーですが、なにげない日常に溢れていたはずだ、と確信しました。
どんな例えかというと、少しの間にクイクイっとお尻を滑らせ座ってこられるおば様の動きです。まさに、あれはお尻エネルギー。お尻からではなく、足から行けばもう、気配の時点でにらまれ入れません。でも、お尻から動いていれば身体全体が滑らかに目的地へと滑り出します(笑)。
 
 
 
冗談のようですが、今ではもう、ほとんど見ませんから、駄目ですね、すっかり、忘れてしまったエネルギーとなりました。そうそう、クレヨンしんちゃんでもお尻をフリフリしてますね。あれも素敵な力です(笑)。
 
 
 
仕事でもコンピューターや機械が増えて、歩いたり、動いたりする事がなくなりました。じっと座ってモニターとにらめっこです。いつのまにか動ける大人が減ってしまい、お手本がなくなってしまったので、今の子供たちはもっと大変かもしれません。身体を使う遊びも危ないから禁止になっていたりしますから。まぁ、なんと言っても、派手なゲームが楽しいですからね、余計に身体を使う機会が減りそうです。
 
 
 
まずは自分が自分の身体が動く事の楽しさを知る事です。40代を過ぎると、いつガクッと体力が落ちるかわかりません。定期健診で身体の中に悪いところが見つかり、自覚した瞬間、気持ちの支えがなくなって、体力が落ちるかもしれません。グローバルな社会になり、一気に環境が変わってしまう事もあるかもしれません。常に仕事のやり方が変わっている時代ですから、新しいことについていけなくなったら、もう、がんばれなくなります。
 
そういう時でも筋肉ではない力は大丈夫です。いつでもどうなっても、この身体は動かせる、とわかっていれば、やってくるアクシデントだって乗り越えられます。
お尻の力は「筋肉」ではなく「お肉」のエネルギー。つまり、重さのエネルギーです。重力の力を借りていますから、楽なんです。坂道を転がっていく車のように身体を使えれば、がんばらなくても生きていけます。どうせ遠くに行くには新幹線だし、飛行機です。自分が全力で走らなくても、目的地へ近づく事ができます。私たちはただ、その目的地で楽しく過ごせればいいわけです。ゆっくり、のんびり、気持ちよく身体を動かす方法を今のうちに身につけておく事をおすすめします。
 
 
 
とにかく、お尻の事を考えて、お尻で歩き、お尻で手を動かすのを意識してみてください。それだけでも全然違ってくるはずです。座っていたって意識をする事が出来ます。今、こうしてキーボードを打っている私のアタマはお尻を動かす事に全力です(笑)。
特に、無意識にできる仕事の中でそれを試してみると、いいと思います。自分が感じた事に自信を持って、どんどん工夫をしていってください。それが遠回りのようで、一番の方法だと思います。
 
質問があれば、遠慮なく。
 
 
 
【お知らせ】
2月15日(日)に武術家、甲野善紀先生を浜松にお招きし講習会を行います。武術、武道、スポーツ、運動の経験は全く問いません。最近は女性の参加者も多いです。ユーチューブなどで見れますが、先生の身のこなしを美しい、と思って生で見たい、と来られる方もいます。強制される事のまったくない講習会ですから、講演会気分で来られるのもいいかもしれません。お申し込みは下記のサイトからどうぞ。お待ちしています。

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