左右の手の連動について

連動が必要な理由

背骨を「しょんぼり」させてみると、両手が自由になります。
この感覚に気が付く前の状態はどうやら、背骨、体幹の力に頼っていたみたいです。もちろん、頼ってみたら応えてくれるほどの強い背骨ですから任せて動けばいいのですが、自分の体幹よりも強い力を持っている相手に対しては無力です。
具体的には「刃物」。


どんなに鍛え上げても、刃物に身体は勝てません。突きや蹴りであれば、しっかりとした背骨で立ち、肩甲骨と骨盤を左右に開き張りを出し、呼吸を止めることなく立ち続けることで相当強くなります。武器を持たない状態での戦いであればいいのですが、実際に世の中のルールはもっと幅広いものです。
自分の身体をしっかりとさせても、それを上回る武器を前にした時の恐れ、これをなんとかしたい、とずっと、考えてきました。

「しょんぼり」型へと構えを変えてみると、それまでの強さとはまるで違う性質の強さが見えてきました。両手が体幹から自由になり、想像できる動きの幅が広がってきました。
目の前に刃物が出てきた時、体のどこかが「緊張」します。左前で構えてみると、より刃物に近い左手、左足、左半身が躱さなくてはいけない責任感で動けなくなります。ちょっとしたタイミングが命取りの状況でこの緊張はいただけません。
しかし、この時、右手の感覚を観察してみると、自分には関係ない、というような気楽さがありました。右手は自由に動かすことができたのです。

連動に気付けない理由

今日お伝えしたいポイントはここから。
緊張している左手と、気楽な右手。この両手の間には「連動」があったのです。
この連動は今突然、現れたわけではありません。今までも、ずっと、連動していたはず。しかし、背骨というか、体幹部の力が強すぎたせいでわずかな連動を感じ取ること、任せることができなかったみたいです。「しょんぼり」を手に入れて背骨の干渉がなくなってきたことで初めて、見つけることのできた働きと言えます。
左手を動かすときには右手を動かす。右手を動かすときには左手を動かす。
そんなシンプルなルールを作って体を動かしてみると、面白いことに気配が消えていきました。
目の前の刃物を躱すとき、緊張している左手に仕事をさせてはなかなかうまくいきません。この時、左手を含む左半身のポジションを右手の運動によってコントロールしてみます。すると、一番の相手の死角である刃物の側面に左手を気持ちよく移動させることができます。

左手そのものを動かそうとしていた時はどうしても残ってしまっていた体幹部や足が、右手の操作で結果的に動くようにしてみると、すべてが揃ったまま移動していきます。どうしてもできなかった体捌きですが、まさか、こんな動かし方があるとは夢にも思いませんでした。

自然や無意識は練習してはいけない

もし、すでに「技」として一連の動きが頭に入っているのであれば、この左右の連動を生かすことができるかもしれません。左右の連動は「自然」、「無意識」に近いんじゃないかなぁ、と想像しています。意識をしていない動きは無意識です。つまり、「誰でも」無意識の自然な動きは持っているわけです。その無意識さ、自然に近づけそうです。ただ、体で覚えていない動きはなかなか難しいようで、左手も右手も迷ってしまうと力が発揮できないからです。料理や掃除、車の運転、食事など、日常の所作で確かめてみるといいと思います。
親子がわかると自由になれる

どうやら、体幹と両腕は「親子の関係」があるようです。
親である背骨、体幹が隠居するから両腕が自立をし、動くことができます。両腕が喧嘩をしたままでは力は発揮できませんが、兄弟である両腕が役割を自覚して、協力することで、望んでいる結果へと近づくことができるわけです。
そういえば、この感覚を楽しむ簡単な稽古があります。
木刀ぐらいの大きさの棒を手に持ち、振ってみてください。その際、両手で振った場合と片手で振った場合を比べます。慣れていなければ、10回ほど振ってみるだけで肩に緊張が出てくるはずです。
私の場合、片手で持って振ってみると、どうしても、二の腕、上腕のあたりに力みがでてきます。この時、反対側のなにも持っていない手は私は知らないわ、といった感じでぼーっとしています。当然、疲れます。つまり、両手で振ったほうが片手よりは楽でした。

この時、左右の連動を試してみました。木刀を持っている右手。この右手を動かそうとせずに、ただ手にもってぶら下げるようにしておきます。次に、何も持っていない左手を意識して、ゆっくりと左右上下前後と、あちこちに動かしてみます。すると、左手の動きに合わせて右手が「わずかに」動いているのが感じられました。
右手に持っている木刀が振り上げられ、おろされるように、「左手」を動かしてみると、先ほどまであった右腕の力みが消えているんです。
同じように10回振ってみると、楽さが全然違います。もちろん、1000回、2000回と振るのであれば違ってくるでしょうが、動きを身に着けていない私が、楽に1回素振りができた、というのは驚くべきことです。

連動、連動、連動

とにかく、「連動」はキーワードです。自然、無意識につながるカギになります。連動して動いている感じがわかると、目の前のコップをとるのも楽しく、愉快なことになります。きっと、この先、自分にとって苦手だ、と感じることをしなくてはいけない状況になったとき、この連動に救われるんだろうなぁ、と想像するだけで気持ちが楽になっていきます(笑)。
そして、さらに観察を続けていくと、左右の手の連動から、手指のなかにも連動がある、とわかってきました。それに関してはまた、改めて頭を整理しながら報告しますね。よろしくお願いします。

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山口潤プロフィール

3歳から父の影響で少林寺拳法を始める

18歳で中部大学少林寺拳法部に転籍。学生連盟の仕事を通して少林寺拳法の楽しさを知りました。

22歳、大学卒業の年、甲野善紀先生に出会い衝撃を受けます。

その後、父の道場に戻り指導を始めながら身体感覚の研究稽古を始める。(以来、ずっと、新しい発見が続いています。)

10年ほど前、父から少林寺拳法の道場を引き継ぎました。

少林寺拳法の全国大会に愛知県代表として出場したとき、肩を壊しました。それがきっかけになり、それまでの仕事を辞め、身体の楽しさを伝えることを仕事にしようと決意をし、カラダラボの活動を始めました。

コネもビジョンもなかったのですが、思いが伝わってくれたのか、定期稽古は名古屋、浜松、掛川、大垣に、文化センターの講座は名古屋を中心に10か所ほどに増えました。ありがたいことです。

活動の場面はいろいろと増えておりますが、毎日、ずっと、体に目を向け、声を聞き続けています。


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