生きるという大きすぎる問題

 どんな人間にも必ず「死」はやってきます。
 これまで死ななかった人間は一人もいません。
 仏教では「四苦」といって根本的な苦しみとして
 「生・老・病・死」というものがあるといいます。
 生きる事は同時に死ぬ事を考える事なのかもしれません。
 頭でどれだけ勉強、理解をしても心の安らぎは得られませんよね。

 この大きすぎる問題を考えてもいいのかなぁと、
 ちょっと迷いましたが自分の身体と心が感じた事です。
 こういう自分の心と身体に生まれた事に正直になってください、
 というのがカラダラボでは伝えたい事ですので、
 今日は少し我慢をして聞いてください。

 そもそも身体は「よく動く事」が幸せなのでしょうか、
 動かなければダメなのでしょうか?
 そう考えると、「老いる」という事はダメに向かって進んでいる事になります。
 ちょっと考えてみましょう。

 怪我や病気や老い、生きる事死ぬ事に恐れのなくなった人は多くないでしょう。
 だからこそこれだけ様々な健康グッズが次から次に流行っていきます。
 多額のお金と多くの力を費やして病気に対して新しい対抗策を考え出しています。
 アタマとカラダとココロで分けてみれば、
 それだけ強いココロの力を誰しもが持っているという事です。
 もちろんこのまま強い力に振り回されてしまえばダメです。
 そのココロの強い力を楽しく生きる力に変えて行きたいですよね。

 身体が動くにつれて見えてきたのは心の力です。
 身体の感覚を通して心の強さ、力を知りました。
 身体はおそらく老いていく中で動かなくなっていきます。
 どんな薬や運動でそれに抵抗をしてみても、いつか必ずやってきます。
 
 それに対して心はどうでしょうか?
 いくつになっても元気な人、優しい気持ち、
 楽しい気持ちにしてくれるおじいさん、おばあさんもいます。
 逆にイライラさせてくれる人もいますが(笑)

 どの方向へ向かうかは自由ですが、
 ココロを強く豊かにしていく事はできそうです。
 そのココロの強さがあれば様々な事をすることができます。
 ココロの強さをカラダで表現した稽古法が
 「内側の力、外側の力」でしたね。
 今日は詳しくは説明しませんが、興味があるならまた遠慮なく聞いてください。

 カラダは感覚を通して、ココロの形に気づかせてくれます。
 カラダが動く事は確かに楽しくいくらお金を出しても得ることのできないものですが、
 動く事でココロの力が見えてくる事も忘れてはいけません。
 自分のココロの強さ、力がそのままカラダに現れてくるといいのかな、そう感じています。

 痛みや苦しみは嫌なものですが、
 その痛みや苦しみがあるから誰しもがココロに向き合えるようになります。
 もしずっと健康だったら、何も痛みがないまま生きていくとしたら・・・
 ナマケモノの私ならきっといつまでも「自分」に向き合わず、
 なにも変えられないままでいるかと思います。
 カラダが老いる、痛みがあるからこそ、
 このままでいいのかなぁ・・・と考えるようになりましたからね。

 自分が自分自身に対して「問い」を立てたときにどう答えを出していくのか。
 自分自身で答えを探していく力こそ生きていく為に必要な力ではないでしょうか。
 
 手がかりがなければ続ける意欲がなくなります。
 カラダの感覚に気づく事が自分に向き合う手がかりになるんですね。
 残念ながらこういう「学び方」は学校では教えてくれません。
 学校で学ぶ事は知識ばかりが優先されています。
 ただ記憶するばかりの勉強は面白くありません。

 甲野先生に学んだ事はこの学び方、上達の仕方だったのかもしれません。
 そういえば甲野先生が開かれた会の名称は「武術稽古研究会」でした。
 稽古法を研究、学び方を研究する会でした。
 考えさせられます・・・。

 話があちこちに飛んでいますが、
 それだけ私の中でもまとまっていない、という事なのでしょう。
 うまく「言葉」にはできませんが「感覚」としては確かなものがあります。
 生きていく上での光になるものが自分の中にあるんだという確かな感覚。
 
 生きる事、死ぬ事には力があります。ただ生きるのではなく、
 その生きる強さ、生きたいと思う強さを感じて行きたいと思っています。
 真剣に生きている人からは迫力を感じます。
 
 どんなにカラダが動いて技となり、誰かを倒せたとしても、
 ココロに向き合っていなければ凶器と同じになってしまうでしょう。
 そういえば「刃物」にも人に感動を与える美しさを持った「刃物」もありますね。
 真剣な人が作った作品には思いが宿る・・・
 大切な人には必ず思いは伝わると信じられる自分も出てきました。
 身体の心地よさを頼りにこれからも稽古を続けていこうと思います。
 
 長々とすいませんでした。

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