反射神経の活用法

反射神経と運動神経について気づいた事を話をしておきたいと思います。これまでの稽古との大きな違いは、自分の体の中に神経システムというものが、確かにあった、ということを実感したところにあります。
これまでもたくさんの動きを考え、動きを作り、自分をどんどん変えてきた自信があります。その稽古の中で自分の体の筋肉のシステム、骨格のシステム、そして意識のシステムがあるということを考えてきました。
無意識に働いているいろいろなことを自覚することによって、自分にはできないと思い込んでいた動きが、出来るようになる喜びを感じてきたのです。
今、神経のシステムが自分の中にあったことに気づくと、何の不思議もないのですが、よくこの歳まで、この神経の働きに気がつかず、生きてこられたなと、変な気持ちになります(笑)。
反射神経と運動神経は、誰の中にも存在をしているのです。大きなものを得たという嬉しさがある反面、この時代の中でたくさんの、失われているもの、捨てられているものがあることに気が付きました。もしかしたら、その代償を子どもたちに背負わせているのではないか、という怒りも一緒に生まれてきています。
便利な機械やサービスが溢れ、その進化こそ自分たちの幸せだと疑わない時代です。そのあまりにも親切な環境が人間の中から、生きる力を奪っているかもしれない、そう強く思いました。
昔の子どもたちは大きく成長する中で、虫取りや魚釣りなど、自然の遊びを通して自らの反射神経、運動神経を育ててきたはずです。その磨かれた反射神経が人とのコミニケーションの中で、どれだけ大切かはお分かりかと思います。どんなに知識があったとしても、人との間ではまず、合う合わないといった、相性の方が先になります。もちろん、その好き嫌いに振り回されずに、コミュニケーションを育てて行くことが仕事をする上で必要になったりしますが、反射的に起こる自分の変化に気が付かずにいれば、嫌いなものはいつまでも嫌いなものであり続けるはずです。
どんなに自分のことを反射神経が鈍い、と言ったとしても、熱いものに触れればパッと、その体は動いてきます。反射神経が鈍いのではなく、反射神経の使い方が間違っているのです。
反射的に自分が感情に振り回されてしまい、苦手なことに関しては、体を固めてしまいがちなのです。武術と同じですね、敵を目の前にして、反射的に怖いと、体が固まり緊張してしまうわけです。この時頭で考え、動いてみても、考える前に、反射的にまず動いている部分がありますから、どうしても一歩遅れてしまいます。気がつかずにいた、この反射の働きを、手首を材料に稽古してみると、少しずつ反射の動きをコントロールすることが可能になります。
自分の体に自信を持てない人は、きっと学校生活のスポーツや遊びの中で、お前はどんくさいなぁと言われたり、誰かと比べて、自分の動けなさを勝手に運動神経がないと決めたりしたんだと思います。便利な機械やサービスがなければ、生きていく中で自然とまた、運動神経を伸ばして行く、事ができたはずですが、自分が神経を尖らせて、気にしなくても周りがそれをやってくれるようになってしまったのです。
この世界であっても自分の事を、存在する価値がある素晴らしい人間なんだと、感じていれば問題はありません。しかし、自分以外の周りは、良くなっていても、自分自身は存在する価値がないと考えてしまえば、この世は地獄となってしまいます。
いろいろなことを経験することで、人間は成長する。それがわかっていてもどうしても苦労をかけさせたくない、と考えることが親心でもあります。武術を通して、体を知ることでまず、私たち大人が生きることを楽しく考え、のびのび生きて行くことが子どもたちにとって、何よりの力になると信じています。
きっとこれからも便利な機械や素晴らしいサービスが、ドンドンと出てくるでしょう。その進化に負けずに自分の身体を見つめ直し、ともに研究をし続ける場所をこれからも作っていきたいと思います。
つい感情的になり、まとまりのない文章になってしまいました。今までは感情が先走った事を文章にすることはなかった様に思います。頭がそれを止めていたからです。でも書かずにおられなかった事はきっと、反射神経に気づいてしまったからかな、と思います。最後までお付き合いしていただき、ありがとうございました。
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