つま先に貼りつき感が出てくることで「出来る事」を考えてみます。
大きく眼で見て分かる変化は横への移動が速くなった事ですね。例えばサッカーやバスケットボールで相手を抜き去る時に使えそうです。ちょっとそんな様子をイメージしてみてください。
では自分から見て左側から相手を抜くと考えてみましょう。この時どこから動き出して、どうやって力が入っていくでしょうか?多分ほとんどの人が「無意識」で動いているために、自分が「どうやって」動いているかは意識できないと思います。意識していなかった事を意識する事が自分の動きを変えていく一歩ですから、めんどくさがらずに考えてみてください。
どうですか?難しいですか?
色々と細かいところは違ってくるでしょうが、私の「普通」を書いてみます。
1、まずは相手を認識、腰を落として次の動きの準備をします。
2、(左に抜くと仮定しましたから)右足のつま先(親指辺りですね)に力を入れ、自分のカラダを斜めに入れていきます。
3、勢いのせいで悪くなった姿勢を立て直しながら前へと走り抜けます。
大雑把に書くとこうです。ただし、このままで使えるかと言えば無理ですよね。自分と同じ動きを相手がトレースしてくれば当然抑えられてしまいますから。だからこそ「右に行くと見せかけて、左」と言うようなフェイントが必要になるわけです。コメディー映画にありましたよね、相手の前で上体だけをブンブン振っているのを想像してみてください^^
結局、自分が普通に使っている動きは相手も使えるために追いつかれてしまうわけです。タメができる、気配が出る、動き出しの初速が低い、カラダの中で置いてきぼりになってしまう場所が出来る。いろいろと原因は上げられるわけです。
この状況を改善するためにカラダの運転の仕方を変えるわけですが、それが今回は「つま先の貼り付け」になるわけですね。左に行くために右足の親指に力をこめて飛び出す。これがダメな事はもう分かりますよね。居着いてしまって、動きを読まれてしまいますから。力を使いやすい筋肉に頼るのではなく、カラダの重さを使います。
「左」に抜いていくためにまず最初に行なう事は、「右」に飛び出していく動きなのです。右に飛び出していき、右足が着地した時に脚を「力ませずに」、つま先が「ぴとっ」とはり付く感じを意識してみると自分の体重が地面にぶつかり跳ね返ってくる感覚が生まれます。
足裏でブレーキをかけない、と言っても良いかもしれませんね。ついつい力の入りやすい親指を使わない事で、戻ってくる力を使う事が出来るようになるのです。ただ、右、左とカラダが動く事で普通の「フェイント」と何が違うの?という疑問が湧いてきます。
この疑問は上手な人も下手な人も同じやり方でフェイントをしている、という思い込みから出てきています。上手な人と下手な人、そこにカラダの運転の仕方があると考えてみましょう。自分の動き方が変っていくからできなかった事が出来るように近づいて行くのですから。
この動きを試してみると、自分もその動きにだまされているような感じがします(笑)。全力で右にカラダを飛ばしていったのに、足裏に意識を置いて、自分のカラダが丈夫になる事で、「勝手に」カラダが左側へ飛んでいくのです。自分がだまされるほどの動きであれば、少なくとも意識から出てくる「気配」は消えそうですよね。
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