【思考実験】息と呼吸の違いについて

この3日ほど、風邪で寝込みながら(まぁ、稽古は普通にしてましたが・・・)、気づいた事があります。
それは「息」と「呼吸」の違いについてです。
辞書を引けばそこに違いは書いてあるものの、それを身体で確かめなければ納得いかないのが、私の性格。
布団に潜り込みながら、眠れない時間をすごしている間を観察してみたら、これが「呼吸」でこっちが「息」かぁ・・・と納得の答えを得る事ができました。
身体で確かめる事ができた、という事は、それを技の中で意識的に使い分ける事ができる、という事です。
 
 
 
風邪で寝込んでいる時、自分の呼吸は乱れます。
苦しいんですね。
この状況は、敵に出会って、自分の状態が乱れてしまった事と同じです。
苦しくはあっても、気持ちが「平常」でなくてはいけません。
怪我で言えば、痛いけれども平気、それが必要なんです。
 
 
 
しかし、つい、苦しさから、呼吸が乱れ、気持ちが落ちていってしまいます。
この時、自分の気持ちを落ち着けるためになにかできないだろうか?と布団の中で考えたんですね(笑)。
 
 
 
そこで見つけたのが呼吸です。
喉の奥を開き、深く吸い込み、ゆっくり、吐いていきます。
身体の中に空気が入ってくる流れをしっかりと感じる事ができます。
 
 
 
この流れを感じている間は苦しさに気持ちを持っていかれることなく、「平常」のままでいられます。
身体に出入りする空気の流れの圧が今の自分の行動を肯定している感じでしょうか。
自分にとって、一番あった時間の流れを呼吸が作ってくれるみたいです。
 
 
 
そして「息」の方ですが、こちらは胸に対して、背骨を意識が通るような感覚です。
背骨で息をするように・・・とは、ちらほらと聞く風邪の対処法ではありますが、実際になにかが流れているとは思えません。
それでも、感覚的に、背骨を通っていくものは確かにあります。
 
 
 
この背骨の中を意識が通っている瞬間は、背骨を流れている感覚というよりも、背骨に自分がいる、という感覚です。
普通に風邪で寝込んでいると、身体中の筋肉の痛みやお腹や頭の痛みに意識を取られます。
しかし、背骨で息をした場合、背骨の中に意識は存在しています。
一瞬ですが、痛みの元になっているところからは離れる事ができるんですね。
 
 
 
そして、この一瞬がとても、楽になるんです。
この時、流れがありませんから、時間の感覚もありません。
 
 
 
以前、時間は流れであり、身体で感じるのは「圧力」だ、と考えました。
そして、空間はその流れがない状態、ちょうど、鏡に映った状態を写真に切り取ったようなものと考えました。
 
時間は肉体で考えるものであり、空間は心が感じ取るものではないか、と考えたのです。
息と呼吸はそれぞれ、時間を使うのか、空間を使うのかというスイッチになるんだ、というのが今回の気づきです。
 
 
 
しっかりと押さえつけられた状態では気持ちがどんどん、落ちていきます。
それにあわせて、呼吸も乱れます。
この時、呼吸に目を向け、ゆっくり、喉の奥を開いて、大きく吸い、吐いていくと、そこに自分のペースを取り戻す事ができます。
この呼吸を肉体的にとめる事は簡単ではないですからね。
 
いったん流れができるようになれば、そこに肉体的な動きも生まれてきます。
大きな呼吸は身体を大きく膨らませ、そして、小さく縮ませてくれます。
このギャップのある動きが脱出への糸口となります。
 
 
 
そして、「息」を使う場合。
困った状況、苦しい状況に「気」を取られてしまえば、当然、なにをしてもうまくいきません。
しかし、この時、背骨に意識を通す事で、自分の心を自分の背骨に持っていくことができます。
この背骨も相手からは壊されにくいものの一つですからね。
 
 
 
こんな状況においても、まだ、自分は大丈夫なんだ、その気持ちの戻ってくる事ができれば、次の一歩は前向きに変わってくるのです。
 
 
 
息と呼吸の違いなんて、生物学的には関係ないものかもしれません。
文学的には大きく違っても、それを実社会で使っていけなくては役に立ちません。
息と呼吸を時と場所において使いこなす事で、もっと楽に生きて行けるのならば、知っておいても損はないはず。
 
次にお会いする時には自分の中ではもう、当たり前となって気にしていないはず(笑)。
興味があれば、聞いてください^^
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