この3日ほど家の横にある大きな公園内を走っている。
もともと走るのはすごく苦手、小学生、中学生のクラブ活動では泣きながら走らされた記憶がある。多分その頃から、「俺は走れない」との思いがココロの中にできちゃったんだと思う。やらされる稽古で能力が伸びるのは、言ってみれば才能だ。私には無理だった。どうすれば上手になるか、がむしゃらに練習するしかないんだろうなぁ・・・と思っていたから。
久しぶりに走ってみて、相変わらず走るのは「ツライ」な、と思ったけど、それはカラダが悲鳴をあげているから。たった数百メートルだけで足は痛くなるし、息が上がってくる。ナンバを意識してもせいぜい100mぐらいが精一杯。
う~ん、甘くない。それが初日の感想。
別に記録を求めて走りたいわけではない、ただカラダに楽なように走ったり、歩きたいだけなので、まずは歩くところからいこうと考えた。なぜつらくなってくるのか、走り出すと足がドンドン勝手に動いているような気がする。今まで脚よりもよっぽど手のほうが滑らかに動くと信じていた、でも大きな勘違いでした。
すりこまれた「走るフォーム」はほとんど脚のみが回る走り方。もちろん手も振るんだけど、それはカラダの揺れでただ動いている感じなのだ。ダメダメだな、そう思いながら工夫をつづける。いつも研究は正反対からはじめる。脚で動くのではなく、手で歩いてみよう。
つまりこうだ。
手を上に大きく振り上げて、その勢いを借りて上半身を持っていってもらうようにする。われながら滑稽、奇妙に写るに違いない。幸い時間帯のせいか、人影もまばらだったし。こんなへんな稽古をしている自分にニヤリとしてみたりもする。普段の頭というのはなかなか常識の範囲からでていけない。その結果はやっぱり想像通の結果しか持ってこないから注意が必要だ。
大きく振り上げてみて分かってきた事がある。体幹部の動きは連続では動かしにくいという事。多分これは普段の練習の形が、一つの型に集中する事で、一発勝負になってしまう事が多いからだろう。型稽古の場合、いったん相手が崩れるとその後の動きはたいした事が無くても形ができてしまうからね。
継続して走りつづける場合はなにより動きを止めてはいけない。動いていない体幹部を中心に上体と下半身の動きをつなげてみる工夫を続ける。少しずつ動きがあってきたのか、脚を踏み出す気持ちがなくても前に進むような感覚がでてくる。
当初の大きく腕を振り上げる動きを胸を働かせるようにして小さく改良したりして、だんだんと楽に動けるようになってきた。小さな充実感を抱いてウチに帰って驚いた事が一つ。膝を開かない膝行がやりやすい!
思わぬ大発見だった。8ヶ月の子ども相手にその動きを見せて笑いを取っていると、後ろから嫁さんの冷ややかな視線が・・・
どうやらニヤニヤしながら動いているのが気になったらしい。