【思考実験】

【思考実験】ガンキャノンと罪と罰

ガンキャノンの稽古で気づいた事がある。
加害者と被害者という事だ。
 
例えば、財布を盗まれたとする。
盗んだものは目の前に財布があったから、と答えるかもしれない。
でも、盗んだことには変わりないのだから、罪は償わなければならない。
では、そこに置いた側はどうなのだろうか?
もちろん、現代ではそれは評価できない。
でも、そこに置き、盗もう、という気持ちを沸きあがらせた「罪」があるかもしれない、と思ったのだ。
 
相手から押されたときにどう対応するかを確認する技がある。
手をつかまれ、押される。その押された事に対して、自分がどう感じ、どう思い、どう行動するのかを観て行くのだ。
うまく自分の中のバランスが整うと、思った以上の力が生まれ、相手との間にも摩擦がなくなり、すっと相手を崩す事ができる。
 
この技を手首ではなく、ガンキャノン状態、つまり、肩に引き上げた腕の上腕を押してもらうのだ。
稽古仲間にその形をとってもらい、抑える側にまわって驚いた・・・。
だって、押し込もう、とする気持ちが沸いてこないのだ。
攻撃をする前はやる気満々で相手を「倒す」という気持ちで向かっているにも関らず、相手の上腕に触れた瞬間、ダメ、というのがわかるのだ。
 
これを先ほどの財布の場面に当てはめると・・・
盗む気満々の人がいても、その気を出させない事ができる、というわけだ。
う~ん、そんな事ができたら、また楽しく過ごせる材料が見つかった!

【思考実験】天地人

3つのバランスとして、こういうのもあった。
てん‐ち‐じん【天地人】
1 世界を形成する要素としての、天と地と人。宇宙間に存在する万物。三才。
2 三つあるものの順位を示すのに用いる語。天を最上とし、地・人の順となる。
3 生花(せいか)の3本の役枝(やくえだ)。宇宙間の万物を象徴する。
(大辞泉)
 
順位については親子のようなものかな?と思うぐらいにして、今は考えない。
ポイントはやはり、バランス。
バランスが世界を構成しているんだろう。
 
ここまではまぁ、知っていてもいい。
私もなんとなくは知っているし、いわれれば皆、それを受け入れる傾向にあると思う。
 
でも、それができないのが人間でもある。
さきほど、近くの公園で父親らしき人が自分の子供を叱っていた。いや怒っていた。
それを見たとき、あぁ、こういうの自分もした事あるな・・・と、反省。
二人の間に存在する関係、バランスをどうすればいいのか?
どちらかの怒りを鎮めるだけなら簡単だけど、そうじゃないのが人間関係。
 
天地人、知っていても生かせない。そんなことがよくあるし、武術の場面ではいつもそうだ。百歩譲ってスポーツ武道も「武」だとしよう。わかりやすい勝負以外のモノサシはいつまでたっても出てきていない。
 
私の中にには観念、感情、行動というバランスがある。あの怒っていた父親、彼は間違いなく、感情の人だった。怒られていた子供、彼を感情の人にしてしまっては、バランスは取れない。では、子供に行動の役目を取らすというのか?それは違うだろう。全体を見て、考え、どうしたいか、どうなりたいか(これが観念)を理解し、行動する役目の人が欲しい。
 
好きな人通しが自然に集まり、出来上がったグループではそれぞれが役目を負うんだろうけども、親子関係は選べない。だからこそ、学ぶのだ。
親が怒る側(感情)に回るのは子供がそれを学んでしまう。まぁ、それも意味があるといえばあるだろうけど。私は親なので、行動する側でありたいと思う。
 
感情を押し殺して行動する、というのは難しい。
武術で言えば、怖いけど、動け、って奴だから。
しかし、身体からのアプローチがあると、それが出来るようになるのだ。
 
今日は天地人の話から入った。
自分一人でこの世界とどう、バランスをとるのか?という事だろう。
そう考えてみると、外へと飛び出していかずに済んでいるのは、地面に引かれて、助けてもらっているから。その時、その引いてくる力から自由になっている状態、それはまさしく「浮く」状態だな、と思った。
 
武術の稽古も練習。日常生活はもっと複雑で、難しい練習。この練習を楽しめるようにするのが武術。

【思考実験】非常識な学び方

学校での学び方がある。基本を学び、応用していく学び方。楷書、行書、草書という学び方。でも、他にはないんだろうか?私自身、この学び方は合わなかった。まず、基本の段階で結果がでないから続かないのだ。
 
子供達を見てみよう。
彼らは絵を描くときに、基本をしっかりと使って描いているわけではない。ただ、自由に、好きなものを書いているだけだ。
ダンスもそう。ただ、踊る。そして、それがとても楽しそうで、私達の心をうつ。
なぜ、大人はそれを出来ないのだろうか?
 
状況と状態という話をした。
大人はどうしてもそのルールの中で考える。
絵であれば上手に、あぁ、踊りもそうか(笑)。
下手ではだめだぁ・・・と、つい、考えてしまうのだ。
下手を認めて、楽しくやれればいいのに、それが難しい。
 
状況に振り回されてしまうんだな。
自分の状態、つまり、感情をよ~く見てみよう。
今、楽しいかどうか?それをわかることが第一歩。
 
とはいえ、自分が楽しいかどうかってのはなかなかわからないかもしれない。
だからこそ、身体に助けてもらう。
人間は姿勢によって感情が決まる。身体にぐっと力を入れながら、楽しくリラックスすることがどれだけ難しいか・・・わかってもらえるかなぁ?
 
足裏を浮かせて、正中線を伸ばし、軽やかに。
その姿勢の時の感情を見てみると良いと思う。
まず、自分が求める状態、感情を決める。その状態を維持したまま動けないか確かめてみる。つまり、まず、楽しい、動きの良し悪し、結果がどうかは二の次でいい、そんな上達の道順もあって良いと思う。このブログで残している「上達のための足跡」はそれのお手伝いが出来ればというもの。決して、ゆるぎない基本として残しているわけではありません。

【リアルタイム】浮くための3点立ち

両手を持たして、前から押してもらう。当然、その力に対抗しようとする。両足で踏んばるだけでは、身体は安定しない。肩にも力が流れ込んできて、崩れる。
 
両脚プラス、一ヶ所なのだ。
その一ヶ所をどこにするのか?
つい、やってしまうところでは都合が悪い。
では、腹に持っていったらどうだろう?丹田だ。それなりに有効。でも、気に入らない。なぜなら、両脚と丹田では出来上がる三角形が立ち上がってしまうから。必然的に、足の役割が多くなってしまう。
 
そこで、足裏の3点をつかう。
右足の踵、つま先、左足のつま先の3点。
この時、左足のつま先はバランスをとるために、ふわっと地面に接地しておく位にしておく。
すると、足裏に三角形が出来上がる。
その三角形の板の上に乗っている感じだ。
 
ここ最近、「浮く」という感覚を大切にしてきた。
浮く感覚が実感できれば、どんな方法であっても構わない。
でも、「浮く」という言葉で思考停止になってしまう人もいる。
そんな人たちに、この3点立ちは有効かもしれない。

【思考実験】3つでバランスをとる

足裏をそれぞれ3点意識して、両足で6点。
押されたときに、その6点のうち、3点を選んで立ってみると、これが強い!
3点でこれだけなのだから、全部使ったら・・・と試してみると、逆に弱くなってしまう事実。

う~ん・・・バランスが取れる「数」があるのかもしれない。

指先を立てて手をついてみる。
1本では突き刺す感じ。
2本はバランスとるのが難しい、左か右に、どうしても偏る。
3本は均等にバランスが整う。ちょうど3角形の重心で力が合う感じがする。
4本、5本は安定はしているけど、力の入らない指がある。指としてはサボれるから楽なんだけど、働いていない分、充実感をなくしそう。
 
 
頭・身体・心、観念・感情・行動、父・子・聖霊、3つのバランスを元に世の中を解釈していくものは多いかもしれない。身体を通して、動きを通して、バランスのとり方が見えてきたかも。当たり前だけど、実感できた大きな気づき。