上達のための足跡

【身体感覚の足跡】筋肉のセンサー化

キーワードの一つに「筋肉をセンサー化する」というのがあった。

そうそう、最近では「当たり前」になってしまい、つい、説明するのも忘れてしまう。

筋肉というのは力を出すもの、と理解されているかもしれない。

でも、それ以上に、感覚を得るための大切な器官なのだ。

力を入れる、抜く、言葉は簡単。でも、そこに生じている感覚に目を向けると、どう言葉を尽くしても表現しきれないものがあることがわかるのだ。

例えば、りんごを持つ、という動き。力を出せば、りんごは持ち上がる。

では、二つのりんごがどちらが重いのかを測るとしたらどうだろう?

力を抜く事で、重さを比べる事ができるはずだ。

力を抜く、という動きがこの現代ではどうも、なくなってきている。

筋肉のセンサー化がわかってくると、「接点圧力」がわかってくる。

この接点の圧力を一瞬で高めたり、抜いたりすれば、相手に驚きを与え、崩す事もできるし、一定に保つ事が出来れば、こちらの動きの気配を隠す事ができるようになる。

言葉にしないから、要らないのではないのだ。

ごめん、忘れてて!

【身体感覚の足跡】動かない身体を知る、認める

古いノートにあるのは、「○○がやれない、できない」という事ばかり。
でも、それらは「普通の生活」の中では必要の無いものばかり。
生活の中で使わなくなってしまった事で、動かす必要がなくなってしまったんだと思う。

発見、という話を期待された方にはちょっと残念かもしれないけど、今日の話はできないことがわかった、という話。

でも、これがやはり、最初のステップなのだと思う。

出来ない自分を見たくなかったんだろう、きっと。

・右肩「だけ」を引く。

・肩をあげない。

・踏ん張らない。

・手を動かさない。

などなど・・・

全部、単純な動き。でも、出来なかった。

まぁ、やってみて!

出来る人は出来るし、出来ない人は出来ないから。

【身体感覚の足跡】忘れていてけど・・・

ノートによると、甲野先生に初めてお会いして、技をかけて頂いたのが、1995/7/13、木曜日らしい。

・・・でも、動きの研究ノートはその前から書いていたらしい(笑)。一応、6/5からのメモが残っている。きっと、甲野先生の本に刺激を受けて、マネをしてみたんだと思う。当然、書いてあることは「変な事」ばかり。だって、まだ、なにも体験していないのに、想像して、書いているのだから。

でも、意外とこういうのって、大切かもしれない。

教えてもらうだけではなく、自分の中から探していくという行為。全ては自分の中にあるのだから。

甲野先生はこういうところも上手だった。

当時書かれていた連載は日記風にご自身の気づきを残されていたし、その中で見つかる発見は読んでいる私の方にも、高揚感が生まれてくるから。

今は色んな人が、動画や言葉でたくさん、動きを残してくれる。ぜひ、「勝手に」工夫をどんどんして欲しいと思います。

【身体感覚の足跡】はじめて力が動く事に気づく

昔のノートを見ていると、誰かに見せるための物ではないため、もう、書いた本人でもなにが書いてあるのか、さっぱいわからない(笑)。キーワードらしく書いてあるものは全部、当時、甲野先生が言われていた事を勝手にそうだ!と思い込んでいたものばかり。きっと、こんな事を考えている俺ってすごい!とか考えながら(笑)。

それでも、こういう時期ってやっぱり必要だと思う。

今、誰かがこの身体感覚の道に入ってきたのなら、自分の動きに酔ってみる事を薦めたい。どうしても、自分の中から生まれてきた「感覚」というのはなかなか外に出しにくい。他の人へ・・・というどころか、自分でそれを認めるのも恥ずかしい、という思いがあるかもしれないし。

実は、こうして、昔の事を書いているのはとっても恥ずかしい。当時は興奮して書きなぐった事も、出来る人からすればきっと、そんなことで・・・と思われるだろうし、自分の感性の無さを公言するようなものだから。でも、きっと、役に立つ人もいてくれるはず!それを信じて、今日も書きます。

 

 

さて、「はじめて力が動く事に気づく」という事。

武術的な気づきばかりなので、イメージがしにくいと思うけど、今の自分の気持ちとあわせながら、書いておきます。

少林寺拳法で言えば切小手系、合気道などでは二教と言われているような技での気づきです。

この技はいったん動きが止まると、力任せのケンカになりやすい技です。けんかになっている状態というのはお互いの力がぶつかっている状態ですね。練習とはそうならないように、カラダを使っていく事なんですが、なかなかうまく行きません。

 

 

力と力がぶつかったところに「圧力」が生まれています。その「圧力」をぐいぐいっと動かせる事に気づいたんです。

これは、「コツ」というよりも、「力は動く」という「認識」でした。

そんな事すらも考えていなかったんですね~。

 

この気づきで、それまで、動きを止めるのがイヤだったのが、最初からトラブル前提でいく、という事を受け入れる事が出来ました。

イヤだと思っても、流れは止まっちゃうんです。でも、止まったら、また、動かせばいいや、と思えるのと、そうでないのとでは全然、気分が違います。

 

 

動かすのは簡単。でも、動かないと思っている人にとっては難しいこと。

【身体感覚の足跡】右肩だけを引く

甲野先生に出会って16年目に入っています。
古いノートを見ていたら、あぁ、こんな事で喜んでいたんだなぁとびっくり。
カラダを動かすって事を全く知らなかったわけだから当然だけども、自分なりに上ってきた足跡を残してみるのも悪くないかも、と考えました。ヒントになってくれれば嬉しいです。
 
 
 
一番最初の「カラダの動かし方」、それは右肩を引く、という動きでした。
ただ、引くなら、難しくありません。そこに「条件」がつくんです。
右肩「だけ」を引く、という動きでした。
 
 
 
右肩を引こうとすると、左肩が前へと出て行きます。
つまり、カラダが回ってしまうんです。くっついていたんですね。
この右肩、たぶん、肩甲骨の部分が動き出す事で、技になる事を教えてもらいました。(名前も知らない人にですw)
 
 
 
この一歩目が無かったらきっと僕は挫折していました。
この一歩目のおかげで、自分のカラダにできる事があるのをしったんです。
こういう小さな事を思い出しながら、なるべく、順番に思い出していこうと思います。
ちなみに、この出来事、甲野先生に初めてお会いしてから数ヶ月経っていました・・・。つまり、それまでは「なにもできない」期間だったんです。よく続いたなぁ・・・と不思議に思います。