上達のための足跡

【身体感覚の足跡】腕の並列処理

腕の中には力が流れやすい「ルート」があります。そのルートは経絡のルートに似ていました。電池の工夫で際立つのが真ん中のルート。それとは別に、親指ルート、小指ルートがあります。
 
電池のルートは崩れにくく、力強いですが、親指は肩に詰まりやすく、小指は稼動域がちょっと物足らなかったりします。
最初、流しにくかったものも、徐々に手早くなってきます。
一つ流すのも精一杯だったものが、相手の動きにあわせて、スイッチを変えるように、流れを変化させる事が出来るようになります。
 
相手を崩す、というのだけであれば、一つのルートだけをより、力強くさせてもいいでしょう。でも、楽しいのは自分の身体の中にそれまで知らなかった事がどんどんと表れてくる、という事です。なんの不思議もないと思っていた腕の見方がどんどん変わっていきますよ。

【身体感覚の足跡】カベを抜ける感覚

3次元の技というところまではお話をしました。や、ひじ、などにそれぞれ、それまでとは違った力を入れて行くという技が1次元、それぞれの部分をつなげて流れを作る技が2次元、つなげた先に力を溜める部分として丹田を生かし、丹田がふくらむように使った技を3次元と解説しました。

その次はないだろうか。その疑問は生まれるのも不思議はありません。力と力が衝突するところに圧力は生まれます。その圧力を生み出している元がお互いの筋力ですから、その衝突はリアルに「ある」ものとして感じられます。その、「ある」ものをを超えたものとして何かないだろうか、そう考えました。つまり、形としてはないけれども存在するもの想像したのです。

そこで、現れてきたのが重心です。もちろん、もともと存在をしていたのですけれども、重心そのもの扱うというよりも体が動いた結果、重心が動くという、順番だったの変えてみました。その感覚で動いてみると、相手との衝突でぶつかっていた分をすっと乗り越えられるような感じがします。壁を抜けるような感じをイメージしてください。

相手との間で衝突が生まれるかこそそこに困ったなという気持ちが生まれます。しかしこの衝突を体の操作によって「ない」ものとして動く事が出来るというのは、まったく新しい世界に入ってきたような感じがします。

稽古重ねて気づきが現れてくるとこれまで見てきた世界とは全く違う世界があったことに気づかされ、それがまた自分の中にワクワク感をもたらしてくれます。その最初の、世界が変わるほどの変化というのがこの、壁抜けの実技だったような気がします。

【身体感覚の足跡】テーピングで肩こり、腰痛予防

時々、この身体だけを使った気づきだけではなく、「モノ」を手にした事で強くなれる事があります。電池の工夫もその一つです。ただ、電池を常に持ったまま、仕事は出来ません。なんとか、この電池を手にした時の強さを維持できないだろうか・・・と。
 
ポイントは中指と薬指のようです。この二つの指に力を集め続けれられば良さそうです。いったいどうしたら・・・モノを掴まずに、掴んでいるときの圧力を得られるのか?
 
そこで、テーピングを巻いてみました。
中指と薬指にです。最初は2本まとめて、その後、別々でも良いことがわかりました。
テーピングを巻くことで、常に指に違和感を与え続ける事ができます。この2本の指に力がかかり続けている間は肩がすっと楽になるんです。
 
重いものを持つ事が多い方は、これだけで肩や腰の負担が減りますから、試してみてください。
 
手にあるのならば、脚にもあるだろう・・・そう考え試して見ましたが、当時の感性ではちょっとまだ足らなかったようです。
また、違った機会に試したくなることがあるかもしれません。

【身体感覚の足跡】経絡と電池の関係

指のアーチのところで、指の持っている力について話をしました。
普段気にしない指を見直す事は、自分に興味を持つきっかけになります。
そういえば、指のアーチに気づく前(だったと思いますが・・・)に、電池を使ってパワーアップする方法を見つけました。やり方は簡単、ただ、力いっぱい握るだけです。
 
ただし、その握り方がポイントです。
単3電池ぐらいが良いと思いますが、この電池を中指、薬指をメインに握ります。まぁ、人差し指はかけない、と思ってもらえばいいです。
ただ、それだけの事で、普段よりも大きな力が出せるようになるから不思議です。
 
ただ、不思議、といってもそこにはやはり理由があるはず。そう思ってイロイロ試して分かった事は、経絡との関係性です。
 
身体の中には普段意識しないけれども、複雑なシステムがしっかり働いているのです。その中の一つに経絡システムがあって、この指先も重要なポイントになっているそうです。親指と人差し指、中指、薬指、小指。それぞれ別々の役割をもって、動いているのですが、それを意識する事はあまりありません。
 
「力いっぱい」と聞いた時、果たして、どれだけの工夫が出来るでしょうか?ほとんどの人はたった一つの工夫でもって、自分には力がない、と言い切ります。もったいないですね。
 
人差し指に力が入るようにしっかりと手を握ってみてください。そうすると肩にも力がはいってくるのがわかるかと思います。そうです、繋がっているんです。
今度は中指と薬指に力をいれて握ってください。・・・すると、今度は脇が締まって、胸が開いてきます。
 
しかし、ここで問題が一つ。なかなか普段使っていない指を意識し続けるのは難しいです。
でも、大丈夫。そこに「握れるもの」があると、しっかり握れるようになるんです。その役目を果たすのが電池です。ちょうどいい大きさだと思います。

普通に歩く、という練習を紹介しました。
この時、両手に電池を持ち、試してみると、ぐいっと前へと進める感覚がわかるかと思います。お試しあれ。

【身体感覚の足跡】踵で歩く

歩くって事を考えなくてすむような時代になっている事に気づいているかなぁ?
電車があって、車があって、近くにお店が出来て、ネットで仕事が出来て、買い物も出来て・・・昔に比べて、歩かなくってもよくなってきました。
 
 
歩かなければいけなかった時代であれば、無意識に身体に負担をかけない歩き方を身につけられたんでしょうが、今はそうはいけません。ほんのすこしなら・・・と無理をかけているのかもしれませんよ。
 
4年ほど前、劇的に歩き方が変わった時がありました。今ではそれほど意識をしないですけれど。
歩くってなんでしょうね?正しい歩き方ってあるんでしょうか?
教科書的に正しくっても私にそれはいりません。
少しでも、今、困っているものを解決し、楽しく生きていけるような歩き方が欲しいんです。
 
これだ!と思った最初の歩き方がこれです。
踵で身体を押し出す歩き方でした。
足のアーチを作ると、足に力を入れなくっても自然としっかりとします。
その丈夫さがあると、自分の体重を支えてくれるようになります。
足裏がしっかりした事で、重さがしっかりと、地面へと流れます。
必然的に、その地面から反発力がもらえるんです。
 
結果的に、「歩こう」と意識をしなくっても、身体がどんどん前へと押し出せれていくように歩いていけるようになりました。
重さというのはエネルギーですが、それを使いこなせないからこそ、嫌われるんでしょうね。
 
スケートやスキーのスケーティングに似た感じでこの普通の地面も進む事が出来るようになります。